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今やラーメンも様々。醤油や味噌といった枠にとらわれない一杯が増えています。福岡市にもまた、そんなラーメンがあります。フレンチコースからスピンオフした一杯は、組み合わせの妙に驚かされること必至です。

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フレンチレストランのシェフが本気でラーメンと向き合う

福岡市南区平和の住宅街に位置する『ニシムラ タカヒト ラ・キュイジーヌ・クリアテビィテ』は、古い一軒家をリノベーションした独自の雰囲気を持つレストランだ。

西村貴仁オーナーシェフは、国内外で修業後、自身の店『ラ・ニッシュ』を一躍フランス料理の人気店にした。そして、2017年10月、さらなる可能性を見出し、料理内容などの一斉リニューアルを果たした。

フランス、中国、日本などさまざまな国の料理の技法を取り入れて、一品ごとの小皿コースで構成するレストランとして、ミシュランガイドのフュージョン部門で日本唯一の一つ星を獲得。シェフ自身が大好きだというラーメンも、コースに組み込まれ、今まで味わったことのない出合いが、大勢のゲストを喜ばせてきた。

オーナーシェフの西村貴仁さん

『ニシムラ麺』は、西村シェフの料理をより多くに人に知ってほしいと、2020年4月からランチの営業を開始。

1日限定50食、無くなり次第終了。唯一無二のスープと製麺屋慶史と共に作った麺が生み出すラーメンは評判を呼び、今では開店前に行列ができるほどだ。

『ニシムラ麺』

ポルチーニが薫る豊かなラーメン

ニシムラ麺のラーメンは3種。季節や時期によって変わるので、まさに一期一会だ。

現在の人気ナンバーワンだという「ポルチーニ茸ラー麺」は、ライ麦を練り込んだ麺が、一見するとそばのような色合いだ。見ただけだと和風のようだが、出された丼から立ち上ってくる圧倒的なポルチーニの香りに驚かされる。

ポルチーニ茸ラー麺(1000円))

食べた人の多くが、「コンソメスープのような」というのもよくわかる、奥行きのある滋味深い醤油スープが味わえる。

麺の上に乗っているのは、鶏チャーシューとバゲット、乾燥ポルチーニを戻して刻んだもの。ポルチーニの戻し汁はスープに入れて香り豊かに。添えられたバゲットを浸して食べるとしみじみ旨い。ラーメンのスープをバゲットで味わうって新鮮な体験だ。

ライ麦を練り込んだ麺

味変の方法はいろいろある、パルメザンチーズやトウガラシなど、また、入店時に注文するストウブ鍋で炊いたご飯など、味を広げる方法は多彩だ。ご飯は炊き上がると、ニシムラの豚と呼ばれるポークリエットと一緒に供される。

リエットにはバゲットだが、これは不思議とご飯にもよく合うように作られている。スープの最後の一滴、ご飯一粒まで味わい尽くせる至福のラーメンだ。

炊きたてご飯(ニシムラの豚付き) 小100円、中150円、大200円

構想1年以上! 大満足のカルボナーラつけ麺

ニシムラ麺ではつけ麺もメニューに上る。中でも、カルボナーラつけ麺は、西村シェフが完成までに1年以上の試行錯誤を繰り返したという逸品だ。

カルボナーラつけ麺(1300円)

太めのちぢれ麺にパルメザンチーズ、ベーコン、卵黄、鶏チャーシュー。つけ汁は、たっぷりのチーズと山芋が独特の食感を醸し出す。もちもち麺にスープ(つけ汁)がよく絡み、 クリーミーで豊かな風味が口の中に広がる

つけ汁がしっかり絡む

ここでも、ストウブ鍋のご飯は活躍する。スープに入れれば、もうリゾットの出来上がり。テーブルの上のパルメザンチーズを追加すれば、いっそうイタリアンな味わいが高まった。

ちなみに、ご飯は大、中、小から選ぶことができるが、店は中を推奨。でも、お腹に余裕があれば、大にしたっていいと思うくらいご飯の時間までも楽しい。ニシムラ麺のラーメンは、味わいを大きく広げてくれる一杯だ。

落ち着いた雰囲気の内観

■ニシムラ麺
[住所]福岡市南区平和2-5-29
[電話]090-4346-3153
[営業時間]11時半〜なくなり次第終了
[休日]金
[交通]天神大牟田線西鉄平尾駅平尾駅ビル口から徒歩15分

撮影/松隈直樹

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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牛島千絵美
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