おとなの週末・京都旅 【画像ギャラリー】おとなの週末・京都旅 京都、静かに愛でる庭時間-俳句の庭、妙満寺へ- #京都#俳句#旅行 記事に戻る 夏は鮮やかな緑に包まれる、岩倉・妙満寺の枯山水。冬とはまったく違う表情を見せる。たっぷりと時間を使い、静かに庭を眺めるなら岩倉エリアは最適な場所。1389年開創以来、応仁の乱など何度も兵火に遇い、そのつど洛中で移転・再興してきた。戦後、喧騒から逃れるため岩倉に移転する。各貫主、宮司によって書かれた雪月花の文字が客殿の床に並ぶ。「雪月花」は中国の詩人・白居易の漢詩の一説に詠まれた、自然の美しさを指す語で、日本の美意識に大きな影響を与えた。寺宝のひとつ「安珍・清姫伝説の鐘」。能や歌舞伎の演目でも知られる紀州・道成寺の鐘は、秀吉紀州攻めの際に京都に運び込まれたとされ、今も毎年鐘供養が行われている。実相院門跡は住職を天皇家の血を引く方々が務めた門跡寺院。岩倉御殿とも呼ばれ、広大な石庭「こころのお庭」もみどころ。もとは後水尾上皇の離宮だった圓通寺。苔におおわれた平庭式の枯山水と、木立を通して望む比叡山の借景で知られる名勝。開け放された雪見障子により、絵画のような額縁庭園としても楽しむことができる。山門前の池まわりには緑がたっぷり。近年は山から鹿がやってくるようになり、草花を食べてしまうとか。池にも入るそう。妙満寺の象徴でもある、インド・ブッダガヤの大塔(ストゥーパ)を模した仏舎利大塔。由緒ある信仰の意匠だ。仏舎利大塔の足元にはインドの四聖獣のレリーフが刻まれる。5層の造りで最上階には妙満寺に伝わる仏舎利が収められている。本堂の裏山一体に「妙満寺の森」再生計画を立ち上げた。桜やモミジが山を彩る。「雪の庭」は広い庭園ではないが、奥にいくほど狭くなる形状で実際よりも奥行きを感じる。もともと子院・成就院の庭であったため空間が余り、そのあたりの整備も兼ねて改修された。背景の山々の水脈が大岩に流れこみ、滝となって手前の池の水面を揺らす。そんな動的な風景を表現した枯山水。飛び石があっても現在は庭に降りることはできないが、いずれは回遊式に整備される予定。晴れた日には本堂から一段とくっきり比叡山が見渡せる。季節の移ろいを見せてくれる比叡山は「雪の庭」の重要な借景。庭鑑賞は客殿にある三間続きの広間から。赤い毛氈を敷いた席が用意される。雪見障子から見る庭もまた違った印象。「山からの颪(おろし)風が吹き込む冷える土地ですが、それでも近年降雪は少なくなりました」と執事・中村英司さん。 記事に戻る おとなの週末・京都旅 京都、静かに愛でる庭時間-俳句の庭、妙満寺へ-