意外な男も喜ぶ安くて旨い渋谷
ライター菜々山いく子(以下菜)と編集武内さん(以下武。40代・男性)という、飲んべえふたりが、渋谷にひそむ、オトナのための立ち呑みを覆面取材しました。
まず、日本酒好きならぜひ足を運んでほしいのが『立呑み なぎ』。かなり珍しい地酒も置いている上に、つまみも絶品ぞろい。
菜「この『塩もみさんま』(500円)は特大! 腹ワタもみっちり詰まってますよ」
武「ボク、腹ワタとか食べられないんで、どうぞ」
へえ、意外。見た目的には素手で鮭とか捕まえてそうなのにね。それはさておき、香ばしく焼かれたサンマを、マスターおすすめのお酒で流し込めば、もうたまらない! 酒よし、肴よし、ついでに言うとマスターもイケメンで、なおかつ値段も安い! 行かない手はありません。
さて、渋谷の立ち呑みで超有名なのが『富士屋本店』だ。
武「このTHE・昭和な雰囲気が中年には心地よいんですよ」
それにしても、ここの店員さんの働きは見事だ。何十人ものお客の注文を、ミスなくさばいていく様は、もはや様式美を感じるほど。つまみはどれも数百円。会社帰りのオトーサンたちの憩いの場なのだ。
菜「いつまでも残っていてほしい名酒場ですよね」
ワカモノが集うこの街で、昭和世代がほっとひと息つける店なのです。
一方、『しぶや花魁』は、“立ち呑み”よりも“スタンディングバー”と言った方がしっくりくる雰囲気。
遊郭をモチーフにしていると思われる店内で、カクテルなどの洋酒が中心だ。デート前の待ち合わせ、なんて使い方が似合う店でしょう。
駅から少々離れた住宅街にあるのが『丸木屋商店』。
ここは“角うち”だ。歴史を感じさせる店の風情と共に、腰の曲がった女将さんもいい味を出している。
武「日本酒いっぱいありますね」
菜「それに値段も安いです。さすが角うち!」
酒の中でも、とりわけ日本酒好きな我ら。コップがじゃんじゃん空になっていく。手作り感にあふれた家庭的なつまみが、これまたしみじみウマいのだ。
今回の記事の店舗情報
立ち呑み なぎ(最寄駅:渋谷駅)
道玄坂から百軒店に入り、しばらく歩いたところに佇む立ち呑みの店。入り口には竹が植えられ、風情ある雰囲気が漂っている。こちらは日本酒バー。扱うのは「天明」や「奈良萬」など、福島県産の地酒だ。立ち呑み なぎ[交]京王井の頭線 渋谷駅 西口 徒歩4分
富士屋本店(最寄駅:渋谷駅)
開店直後から閉店まで、広い店内が大勢の客であふれかえる、桜丘町界隈でも指折りの人気店。揚げ物、サラダ、刺身などつまみは豊富に揃い、ほとんどが200円〜300円程度とリーズナブルな価格。富士屋本店 [交][交]JR山手線・埼京線 渋谷駅 南口 徒歩2分
しぶや 花魁(最寄駅:渋谷駅)
焼酎や日本酒、ホッピーもいいが、たまにはウイスキーやカクテルを楽しみたければこちら「しぶや 花魁( おいらん)」。この時期に人気のモヒートやサングリアなどが揃うだけでなく、「唐揚げ」や「サラダ」などつまみも充実。2階に行けば、着席でゆったり呑めるのもうれしい。真っ赤な壁が目印。[交]渋谷駅より徒歩8分.
丸木屋商店(最寄駅:代々木公園駅)
住宅街にある酒販店が店舗の一部で営業する、いわゆる“角うち”。日本酒が充実しており、約20種類を揃え、400円前後。「ポテトサラダ」をはじめ、家庭的なつまみは素朴な美味しさ。曜日限定で作られる「煮込み」も名物だ。丸木屋商店[交]代々木公園駅より徒歩9分、代々木八幡駅南口より徒歩10分、渋谷駅徒歩15分
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