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冬の京都は、観光客が比較的少なく、ゆったりとした気持ちで街を歩けます。ストレスの多い毎日。疲れた心を癒すために庭を愛でたり、美に触れたり―― 。冬の京都で心をととのえてみませんか。

「光庭」を眺めて過ごす贅沢

「光庭の前に座って、光が移動するのを一日中見ている方もいらっしゃいますよ」と『何必館(かひつかん)・京都現代美術館』の学芸員・内田真紀子さん。なるほど、常設展も企画展も興味深いが、ただ光庭を眺めて過ごすというのはなんという贅沢な時間の使い方だろう。

少しユニークな名称は、定説に甘んじず“何ぞ、必ずしも”という自由な精神を持ち続けたいとの願いから名付けられた。こちらはふらりと訪れて楽しめるところもよく、5階の紅葉が植えられた光庭と展示用の茶室は必見だ。

『何必館・京都現代美術館』

この階には日常からふっと離脱できる浮遊感が漂っている。丸く切りとられた天井からは自然の光が差し込み、時間によって変化する様が光のアートのようで見飽きないのだ。

京都の美を感じる場所といえば町家も外せない。ギャラリーカフェ『ザ ターミナル キョウト』の建物は元呉服問屋だった敷地150坪の町家を復興したもの。京都で生まれ育った店主が「京都に何か恩返しを」と取り組んだという。

『The Terminal KYOTO』

今、京都では多くの町屋が維持できずに取り壊されていて、そこに少しでも歯止めをかけたい、と店主は語る。奥庭を眺めながら喫茶で過ごす時間は、京都人の美意識を体感できる濃密なひと時だ。

京都にはマニアックなギャラリーが多いが、世界的にも珍しい日本の古布を収集する『ギャラリー啓』は中でも異彩を放つ。「日本では外国の古布が人気ですが、実は日本には他国でも類をみない繊細な手仕事の古布がたくさんあるんです。それをもっと知って欲しい」と店主の川崎さん。

『ギャラリー 啓』

仕事着や生活用具として使われてきた古布は、年代を経てさらにテキスタイルアートとしての輝きを増している。ここはそんな未知の日本の美と出会える、京都ならではのギャラリーなのだ。

今まで紹介した3軒はどこも散歩の途中や旅の隙間時間にふらりと行ける場所。京都ならではの美に、気軽に触れてみてはいかが。

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『何必館・京都現代美術館』上質のアートと刻々と変化する光庭を...
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おとなの週末Web編集部
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