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一般的に、“京都に行ったらまずは和食”という方が多いと思われます。が、しかし! 京都は伝統の食文化を守りながら、新たな味への探求を積み重ねてきた街。それゆえ、外国料理店にも光る店が多く、なかでも「京都の中華」は知る人ぞ知る存在でもあるのです。有名なカラシソバからニンニクを使わないやさしい料理まで、地元の人たちの味覚に合わせて独自に進化を遂げてきた京都の中華の魅力とは?京都の中華を愛してやまない「おとなの週末」ライター・オカモト氏がおすすめする、今こそ食べておきたい店をここに厳選してご紹介。次の京都旅行の際にはぜひ足を運んでみてください!

『京都中華彩館 鳳舞楼(ホウマイロウ)』 @今出川

王道京都中華の系譜を受け継ぐ、香り立つ「カラシソバ」

この店で、ぜひ食べていただきたいのが「撈麺(ろうめん)」、通称“カラシソバ”と呼ばれるあんかけ麺だ。

撈麺(ろうめん) 950円

『京都中華彩館 鳳舞楼(ホウマイロウ)』撈麺(ろうめん) 950円 『撈麺』はシャキシャキのレタスと熱々のあんの対比が絶妙。辛子の辛みは熱で角が取れてまろやかに。麺は国産の小麦粉とセモリナ粉をブレンドし、1週間ほど寝かせている。あんかけにするので伸びずにモチモチした食感が理想という

その生みの親こそ京都中華界のレジェンド・高 華吉(こう かきち)さんであり、最後の愛弟子として知られるのがここ『鳳舞楼』の店主・相場さんだ。できることはすべて手作りにこだわったという、職人肌の師匠の姿勢を受け継ぎ、相場さんもさらにより良くと、日々精進を欠かさない。

自家製麺も粉の配合から熟成まで何度も研究を重ねている。「食べた時に香るように、辛子の香りをあんで閉じ込めるのがコツ」というカラシソバひとつとっても、京都中華の手仕事を物語るかけがえのない味なのだ。

『京都中華彩館 鳳舞楼(ホウマイロウ)』

[住所]京都府京都市上京区新町通中立売下ル仕丁町327-7
[電話]075-555-5568
[営業時間]11時半~14時、17時~21時(20時LO)
[休日]火、水
[交通]地下鉄烏丸線今出川駅から徒歩8分

『美齢(メイリン)』 @今出川

細い路地に隠れた民家で、たおやかな中華料理に魅了される

猫の通り道のような細い路地の途中に、おっとりとした佇まいの店が現れる。そんなシチュエーションも旅の楽しみのひとつだろう。物静かな店主・曽根さんが作る料理はきれいで澄んだ味わい。

石焼き麻婆豆腐 1155円

『美齢(メイリン)』石焼き麻婆豆腐 1155円 最後に自家製のネギ油をかけることで食欲をそそる香りが立ち上る

「見た目だけでなく音や香りも楽しんでほしい」という「石焼麻婆豆腐」は熱したネギ油をかけているので匂い立つが、辛さは控えめ。山椒も別添えで、昨今のスパイス弾ける麻婆とは真逆をいく奥ゆかしさ。

蒸し鶏は丸鶏を捌くところから、カラスカレイの蒸し物は「他の魚ではこの味が出ない」とカラスカレイでしか作らない。たおやかに見えて決然とした京都の美学がここにもあった。

『美齢(メイリン)』

[交通]京都府京都市上京区黒門通元誓願寺上ル寺今町511
[電話]075-441-7597
[営業時間]11時半~14時、17時半~21時
[休日]月(祝の場合は営業)、不定休あり
[交通]地下鉄烏丸線今出川駅から徒歩8分

『廣東料理 糸仙』 @上七軒

北野天満宮門前の花街には、芸妓さんも喜ぶ楚々とした中華がある

フォトジェニックな「酢豚」にひと目ぼれしてしまった。具は芸妓さんのおちょぼ口でもパクリといけそうな豚肉だけ。ちょこんとした彩りのパイナップルが愛らしい。透明なあんからはほのかに甘い酢の香りが立ち上る。

すぶた 825円

『廣東料理 糸仙』すぶた 825円 酢が持つ旨みが深い味わいを醸し出す。ほのかな甘さのあんかけが後をひく美味しさ

「このお酢でないとこの味にはならんやろうね」と店主の内海さんは教えてくれた。創業以来この味を支えてきたのが、京都で170年の歴史を持つという無添加の「孝太郎の酢」。

この酢を中心に、醤油と砂糖であっさりと味を付けている。ニンニクやネギを使わない京都中華の流れをくむ『糸仙』。かつてお茶屋だったという建物も花街の風情を色濃く残している。

『廣東料理 糸仙』

[住所]京都府京都市上京区真盛町729-16
[電話]075-463-8172
[営業時間]17時~21時(20時半LO)
[休日]火
[交通]都市バス上七軒バス停から徒歩4分

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