ようやくの、秋本番。時間も穏やかに流れるこの時期は、無性に本を読みたくなりませんか?読書の秋、食欲の秋でもありますし、本のエキスパートたちが選ぶ“おいしい”本を厳選してご紹介します。今回は、『食の文化ライブラリー(公財)味の素食の文化センター』副館長・草野美保さんおすすめの5冊です。
【『食の文化ライブラリー』副館長 草野美保さん】
図書館の人気ランキングから選出
「当館の貸出ランキングは普段は発表しておりませんが、今回は過去5年間の分野別貸出ランキングから人気の本を抜粋いたしました」という草野さん。食文化、食材、調理など食にまつわる5つの分野からそれぞれ人気の1冊を披露してくれた。
「なかでも『みをつくし料理帖』は、著者の高田郁さんが江戸の料理や食材などをお調べに当館に何度も通われました。当方の公開講座でご講演いただくなどご縁も深い本です。手書きのイラストに直筆サインをいただいた本を書架に並べ、手に取っていただけることも、密かな自慢としております。有名作家が、見えないところで努力を重ね、図書館もご利用なさっていることを知っていただけたら、うれしいと思っています」
【recommend1】『「国民料理」の形成』西澤治彦 編
いつ、どのようにして「国民料理」は生まれたのか?がテーマの研究討論会の記録本。「弊財団が行う食の文化フォーラムから生まれた本。国民料理というキーワードに関心が高まっています」
【recommend2】『ニシンの歴史』キャシー・ハント 著、龍和子 訳
世界の歴史に大きな役割を果たしてきたニシン。その人間との関わりを多面的に考察し、料理やレシピなども紹介。「少し渋い(笑)テーマですが、食材別のカテゴリーでは断トツ人気の本です」
【recommend3】『和食とワイン』田崎真也、高橋拓児 共著
ソムリエと料理人による、和食とワインのペアリングを軸に、美しい写真で和食の魅力を伝える。「和食とワインとの相性を知りたいという料理人の方から、お家で試したい方まで幅広く人気です」