振る楽しみ、食べる喜び!「おとなの週末」2月号でしゃぶしゃぶ特集を担当したライター菜々山、藤沢、肥田木の女性陣&編集武内が、飲食店で味わう鍋の魅力を語ります。素材から食べ方までしゃぶっと揺れ動く談義スタート!
シンプルだからこそ、料理人の腕の見せどころ!
肥「鍋がマズい店ってあまりないと思うけど、しゃぶしゃぶはちょい別。シンプルだからこそ味の違いがわかる」
武「グツグツ煮込む訳じゃないから、素材そのものが良くなければ成り立たない。という面でも料理人の腕の見せどころだったりします。仕入れの目利きも大事ですが」
菜「冬は家でもよく豚しゃぶパーティ(参加者、私ひとり)を開催するけど、お店で食べるのとはまた違うよね。家でできる味ではなく、飲食店だからこそ楽しめる味を選んだのが今回(本誌2024年2月号)のラインナップ」
藤「やっぱりその素材を専門に扱っている店のしゃぶしゃぶはおいしかったな~」
肥「確かに。素材への愛を感じる店が多かった。『能登美』の店長さんなんて自身の故郷、能登の天然ブリを一番おいしく食べさせるために身の切り方やダシの配合にも並々ならぬこだわりがあった。連日満席も納得だよ」
武「どの店も混んでましたよね。個人的にポン酢で食べる寄せ鍋は肉も魚介も野菜も全部その味になるからあまり食指が動かないけど、しゃぶしゃぶは違う。そのままでも独自のツユやタレでも、いろいろ楽しめる。素材の魅力を引き出すというのかな。だからこそどう味を演出するか各店の工夫が感じられました」
菜「それが家と違うところ。『なみの上』では豚肉を使うのも鶏白湯の鍋ダシにするのも九条ネギと針生姜を引き立てるための設計だったし、『とり囲』も店で炊いた白湯スープがおいしくて、これ自体がつまみになって何度もお替わりしたもん」
藤「今回私が思ったのは、肉系もいいけど魚介系こそしゃぶしゃぶするとおいしくなるのでは?ということ。せっかく新鮮なら生で食べるのが一番と思っていたけど、牡蠣、サバ、タコも、しゃぶしゃぶにすると甘みが増したんです。温めることで“味が開く”と『かきしゃぶ屋』の店主がおっしゃっていたけど、本当にその通り」
武「それって火入れ加減が大事ですよね。食べ手がしゃぶしゃぶする訳だから、その時間によっては素材の脂を落とし過ぎたり、旨みを逃したりする。それ、ダメ絶対!」
藤「気合い入ってますねぇ」
武「絶妙なる火の通し方をもっと勉強しなければ!と思ったんですよ。○秒を目安に……など最初に教えてくれる店はありがたかったです」
肥「心残りは蟹しゃぶを取材できなかったことだわ~」
武「探したけどやっぱり他と比べて値段が高かったですね。予算的にも、ダメ絶対!(アナタたち酒量すごいから)」
肥「チッ、けちぃ~」
菜「牛も値段的に高かったけど、その中で手頃だったのが牛タンしゃぶしゃぶ。見た目はおいしそう~ってなるんだけど、薄いスライスだから独特のサクッとした歯応えがなくなる。牛タンはやっぱ焼きが合うと実感したよ」
藤「てか、肉や魚介はもちろん主役で美味だけど、店こだわりのダシをずぶずぶっと吸った野菜や〆の雑炊のおいしさも格別だった。体にも心にも栄養になるし、何食べるか考えるのが面倒くさい時は取り合えずしゃぶしゃぶ食っときゃ間違いない。ハイ結論」
武「男前~(笑)。ちなみに僕、鍋の中でしゃぶしゃぶっと揺する行為はあまり好きではなく。僕の箸が鍋に長い時間入っていたら嫌だと思う人もいるだろうなあと思うんです。なので素材を鍋に入れたら数秒放置、ひっくり返して数秒放置と気遣って食べるようにしてるんですけどぉ……」
菜「さすがヒゲ乙女(笑)」
肥「放置?ムリムリ。それこそベストの火入れを逃すものかと絶対離さん。鍋に真剣勝負なんだよ、アタシはっ」
武「ふんっ、その割にアク取りもしないクセに(存在自体がアクだけどね、ウヒヒ)」
菜「あはは、アク代官(=武内)も、悪よのう(笑)」
撮影/鵜澤昭彦(能登美)、西崎進也(かきしゃぶ屋)、文/肥田木奈々
※2024年2月号発売時点の情報です。
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