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運気を高め、旬の美食で体を整えて美景も堪能する冬の京都の旅。比叡山のふもと、山に囲まれた大原で、お寺をめぐったあとは、美食を求めて歩きます。

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庭園を眺めながらいただく、イノシシ肉の「ぼたん鍋」

『宝泉院(ほうせんいん)』のお庭でたっぷり心を癒したら、大原の食でお腹にも気合を入れます。昼食は山里ならではの旬をいただきに『野むら山荘』へ。

約5000坪という広い敷地を持つ『野むら山荘』。つくり込まれた庭園からの大原の眺めも素晴らしい

『野むら山荘』は修学院村(現・京都市左京区)にあった老舗呉服商の山荘を保存したいと大原に移築したのが店の始まりで、食事のお部屋は庭園を眺める書院造の広間のほか個室があり、気候の良い時期はテラス席、冬は囲炉裏の部屋も人気です。

移築した30畳の広間「修学院の間」は庭園が一望できる絶景。格天井(ごうてんじょう)には屋久杉、窓には大正ガラスが張られた書院造だ
囲炉裏個室のほかテーブル席や座敷席などがあり、各部屋から庭の景色が楽しめる
広間から続くテラス席は庭に面した特等席。気候の良い季節にぜひ利用したい

「軍鶏鍋」が名物のお店ですが、11月の狩猟解禁とともに始まるのが冬季限定イノシシ肉の「ぼたん鍋」。季節のお料理に鍋と手打ち蕎麦が付くコースで、一人前の小鍋でいただけます。

冬季限定(11月下旬~3月下旬)の「昼のぼたん小鍋コース」1人前6400円(税込)。肉は脂のりのいいロースにこだわって提供

季節替わりの八寸もゴージャス。若狭鯖の燻製や小浜の伝助アナゴ、揚ギンナンや蒸し栗など、近隣で獲れる美味全部盛りのような献立です。

「大原は野菜で知られていますが、鯖街道のルート上にあり小浜や琵琶湖の食材も近いのです。せっかくここまで来てもらうのですから大原の里にふさわしいものをお出ししたい。そんな思いが詰まった献立です(笑)」と店主の中島一彰さん。

コースを彩る季節替わりの八寸。大原の里の恵みだけでなく小浜、琵琶湖の食材も。イチョウのかたちの器は店主の中島さんの作陶
締めは北海道産のそばを使った十割そば。熱々の鍋で温まったからだを角の立った冷たいそばが引き締める

京都のぼたん鍋は白味噌が一般的だそうですが、こちらはしょうゆベースの澄んだお出汁を使います。

「イノシシ肉は脂の甘みがおいしいのでロースにこだわって提供しています。炊けば炊くほどおいしくなりますよ」と教えてくれました。

付け合わせは九条ネギとささがきゴボウになめこが定番。「中でもゴボウは食感、風味ともにいい仕事するんです」と中島さん

お肉に火が通る頃には付け合わせのゴボウと九条ねぎもしっとりいい感じになり、あっという間に完食! 冬はぼたんのほかクマ肉も扱っているそうで、次は食べ比べコースで決まりです。

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おとなの週末Web編集部
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