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冬の京都の魅力を紹介する連載「冬の京都でパワーをいただく」は今回、京都市の北東部にある大原を訪ねます。三千院などの名刹で知られる歴史的な名所。この冬、静粛な庭やのどかな田園風景を眺める、癒しの旅に出かけてみるのはいかがでしょう。

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ふたつの名庭で、四季折々の美景を堪能

京都市街から電車やバスを乗り継いで約1時間の場所にある大原は、古くより紅葉の名所として人々に愛されてきました。

集落を流れる鴨川の支流・高野川は清流で知られ、夏はホタルの名所としても知られている

比叡山のふもとにあり、四方を山に囲まれた盆地。古くは若狭の魚介を運ぶ物流ルート「鯖街道(若狭街道)」の中継地点であり、また、炭焼きの里としても知られ、頭に柴(しば)を乗せて京の都に行商する「大原女」の姿も有名。その立地から比叡山(天台宗)の影響を強く受けた大原周辺には古刹が点在しています。

ふたつの名庭を有する『三千院』は、天台宗の開祖・最澄が比叡山延暦寺建立の際に構えた草庵が起源で、寺名や場所を変えながら1200年の歴史を紡いできました

『三千院』の玄関口となる「御殿門」。自然石を巧みに組み上げた石垣は近江の石工集団・穴太衆(あのうしゅう)によるもの

受付を済ませ最初に目に飛び込んでくるのは客殿から鑑賞する「聚碧園(しゅうへきえん)」。緑を集めたという意味を持つこの庭は、庭一面の緑と刈り込まれたサツキが美しいパノラマを生み出します。

畳に座って眺めると緑のパノラマが広がる池泉鑑賞式庭園「聚碧園(しゅうへきえん)」。
縁側の赤毛氈はお抹茶(600円)専用の特等席。
「聚碧園」は江戸時代の茶人、金森宗和(かなもり・そうわ)の修築と伝わる。東側は山肌を利用し、南側は池庭になる

客殿の先の宸殿(しんでん)からは、もうひとつの庭「有清園(ゆうせいえん)」に出ることができます。青苔の庭からまっすぐに伸びる杉やヒノキの迫力、その足元を彩る散りもみじの美景にうっとり。

冬は雪景色、春は桜やシャクナゲと季節ごとに美しく変化し、脇の弁天池には福が得られる延命水がしたたり落ち、苔と一体になったわらべ地蔵がほほ笑んでいます。

「有清園」は国宝阿弥陀三尊像を安置する『往生極楽院』を囲むように造られた池泉回遊式庭園
絨毯のように広がった一面の苔庭に、春はヤマザクラとシャクナゲ、夏は深緑、秋は紅葉、初冬は散りもみじが美しい
『往生極楽院』の南側には弁天池と枯滝の石組みがあり、周囲には石彫刻家の杉村孝(すぎむら・たかし)氏による「わらべ地蔵」が優しく微笑む

「有清園」の先の弁財天は「京の七福神」のひとつなのでこちらも忘れずにお参りを。

また、『三千院』では客殿の一角に平安時代の天台宗中興の祖、元三大師(がんざんだいし・第18代天台座主良源)をお祀りしています。法力が強いことで知られた高僧ですが実はおみくじの創始者で、ご尊像の前に置いてあるおみくじは元三大師のお言葉がかかれたもの。進むべき道を示してくれると伝わるものなので気を引き締めて引きましょう。

『三千院』の弁財天は「京の七福神」のひとつ。京都では「七福神めぐり」が盛んで特にお正月に親しまれている
青モミジ、赤モミジがあしらわれたおみくじ(100円)には、霊験あらたかと伝わる元三大師の言葉が書かれている。
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癒しの「額縁庭園」を眺めつつ、お茶で一服...
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おとなの週末Web編集部
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