旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■体によい!
正解:えごま
難易度:★★★★★
種も葉も美味しい!
えごまはシソ科の1年草です。葉っぱの見た目や香りは大葉にやや似ています。日本人とのつき合いは長く、縄文時代には栽培されていたことがわかっています。
東北地方(とくに福島・山形・岩手など)では、「じゅうねん(十年)」と呼ばれることがあります。
種子の旬は10月頃、葉は6~8月頃が旬になります。
ごまという名前がついているものの、ごまはゴマ科で、植物としては別物です。
じつは、日本では長らく葉の部分は利用されることがほとんどなく、種子を食用とするのが一般的でした。
昔は「えごま油」を搾るための作物という位置づけで、「油荏(あぶらえ)」と呼ばれることも多かったようです。いまでも、この呼び名のほうが一般的な地域もあります。
東北地方では、えごまの種子をすりつぶして、味噌や砂糖を混ぜて作る「じゅうねん味噌」はおなじみで、団子や餅にからめたり、野菜と和えたりして食されます。
半つきご飯を串に刺し、じゅうねん味噌を塗って炭火で焼いた「しんごろう」は、福島県の南会津の郷土料理として知られています。
ほかに、えごま餅や、えごまクッキーなど、えごまの種子をおやつ作りに使う地域もあります。
ちなみに、近年の韓国料理ブームの影響で葉も食用とされることが多くなり、最近では、葉はスーパーで手軽に購入できるようになっています。
ただし、古くから日本で栽培されてきた、えごまの葉は苦味が強く、食用には不向きです。そのため、葉を食べることを主目的として品種は別のものです。
葉を食べる品種は葉が大きくて柔らかく、ごま油のような香りがより強く感じられます。また、爽やかで少し苦みがあることが特徴です。
韓国では、焼き肉や刺身、ご飯などを包んで食べるときに使われます。また、キムチやしょう油漬けにしたり、チヂミに入れたり、刻んでチゲ(鍋もの)に入れたりと、幅広い料理に使われます。