旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■香りを楽しむ
正解:夕顔
難易度:★★★☆☆
じつは、用途は幅広い
夕顔はウリ科の植物で、カボチャやキュウリ、冬瓜などの仲間です。大きな白い花を夕方に咲かせることから「夕顔」と呼ばれ、その名のとおり、夕方から夜にかけて花が開き、翌朝にはしぼんでしまう短命な花です。
古代から日本で栽培されており、奈良時代の文献にも登場します。古くは薬用としても利用されていました。
夕顔の収穫期は、夏から初秋。果実がまだ若いうち、皮が硬くなる前に収穫されます。夏の暑い時期に育ち、秋の初め頃まで新鮮なものが市場に出回ります。
味は非常に淡泊で、クセが少なくあっさりしています。そのため、どちらかというとほかの食材の風味を引き立てる名脇役的な存在といえます。
食感は冬瓜に似ていて、火を通すとやわらかくなり、煮物や汁物によく合います。繊維質が多く含まれているため、口当たりはシャキッとしながらもほろっと崩れる独特の食感が楽しめます。
薄切りにして天ぷらにしても美味。カリッとした衣との相性が抜群です。
また、炒め物や和え物にも使われ、薄くスライスしてさっと炒めるとシャキシャキ感を楽しめます。食物繊維が豊富なため、健康志向のメニューにもおすすめです。
夕顔の果実を薄くむいて細長く切り、天日で乾燥させたものが「乾瓢(かんぴょう)」です。乾燥させることで保存性が高まり、長期間使える食材として古くから重宝されてきました。
乾瓢作りには、おもに丸い品種の夕顔が使われます。いっぽう、細長い品種は、果肉が柔らかくクセも少ないため、家庭料理に適しています。