旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■タラの芽にそっくり
正解:ハリギリ
難易度:★★★★★
タラの芽よりも美味!?
ハリギリとはウコギ科に属する落葉高木で、「センノキ(栓の木)」とも呼ばれる植物です。
タラノキやコシアブラと同じウコギ科の仲間ですが、それらと比較すると一般的にはあまり馴染みがない植物かもしれません。
その姿は非常に個性的で、若い枝には鋭く太いトゲがびっしりと生えており、これが「針桐(ハリギリ)」という名前の由来にもなっています。
成長すると樹高が20mを超える大木になります。成長したハリギリの木肌はコルク層が発達して深く割れ目が入るため、重厚感のある見た目になります。
日本全国の山野に広く分布していますが、とくに東北地方や北海道などの寒冷地で良質なものが採れることで知られています。
旬の時期は、山菜の王様といわれるタラの芽とほぼ同時期か、あるいはそれよりも少しだけ早い、早春から初夏にかけてです。
具体的には、平地では4月上旬頃から、標高の高い山岳地帯や北国では5月から6月にかけてが最盛期となります。
おもに枝先の若芽(とくに一番芽)が食用とされます。ただし、成長が非常に早いため、食べ頃の時期は1週間程度ときわめて短く、タイミングを逃すとすぐに葉が大きく開いて硬くなり、食用には適さなくなってしまいます。
味の特徴は、野性的な苦味と香りです。同じウコギ科のタラの芽よりも香りが強く、コシアブラよりも苦味が強めです。山菜愛好家の間では、山菜の王様といわれるタラの芽よりも美味と称されることも。
また、芽の根元部分が肉厚で、噛み締めるとモチモチとした弾力と、とろりとした独特の粘り気を感じることができます。この粘り気こそが、ハリギリを山菜の通が好む理由のひとつです。
食べ方については、香りと苦味をダイレクトに楽しめる天ぷらがおすすめです。高温の油で揚げることで、ハリギリのもつ強いアクが和らぎ、独特の香りがよりいっそう引き立ちます。
地域によっては昔から建築材としても重宝されてきました。ハリギリの材は加工しやすく、かつては下駄の材料や家具、楽器の合板などにも使われてきました。
本格的な商業栽培は少なく、流通量は限られています。そのため、スーパーなどで見かける機会は少なく、道の駅や産直市場、山菜専門のネットショップなどで出回ることが多い希少な山菜です。




