旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■土の香り!?
正解:ビーツ
難易度:★★★☆☆
独特の香りがアクセントに
ビーツとはヒユ科(旧アカザ科)に属する根菜の一種です。
断面を見ると鮮やかな赤色の輪状模様が広がっており、独特の美しさを持つ野菜です。見た目は赤カブに似ていますが、ほうれん草やスイスチャードと同じ仲間に分類されます。
この鮮烈な赤色の正体は「ベタシアニン」という色素によるもので、植物界でも限られた種類にしか含まれない天然色素です。古くから東欧やロシアでは、この色を活かした料理が親しまれてきました。
日本でも近年、スーパーや直売所で見かける機会が増えてきました。
冷涼な気候を好む性質があるため、ロシア、フランス、ポーランド、ドイツといったヨーロッパ諸国が主要な生産地となっています。
日本では、北海道が圧倒的なシェアを誇ります。広大な大地と冷涼な夏が、ビーツの糖度を蓄えるのに適しているからです。また、長野県の高原地帯や、冬でも温暖な千葉県、茨城県などでも栽培が行われています。
旬の時期は、年に2回。ひとつは初夏にあたる6月から7月頃、もうひとつは晩秋から冬にかけての11月から12月頃です。
初夏のものはみずみずしく、皮が柔らかいのが特徴で、サラダなどの生食にも向いています。いっぽうで、寒さにあたってから収穫される冬のものは、甘みが非常に強く、煮込み料理に適しています。
ショ糖が多く含まれているため、野菜のなかではトップクラスの糖度を誇ります。しかし、単に甘いだけでなく、独特の「土臭さ」を感じるのがビーツの個性でもあります。
これは「ゲオスミン」という成分によるもので、雨上がりの土のような香りと表現されることもあります。
この香りが苦手という人もいますが、下処理で酢を加えたり、乳製品と合わせたりすることで、マイルドで奥行きのある風味へと変化します。
東欧料理の代名詞ともいえるスープ「ボルシチ」には欠かせない存在であり、これらの地域では日本の大根と同じくらい身近な家庭の味として定着しています。
オーブンで皮ごとアルミホイルに包んでじっくりと焼き上げるローストは、ビーツの甘みを最大限に引き出す調理法です。焼くことで水分が飛び、味が凝縮され、まるで砂糖を思わせる濃厚な甘みとホクホクとした食感を楽しむことができます。



