旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■うま味たっぷり
正解:イタヤ貝
難易度:★★★★☆
貝殻はひしゃくにも使われていました
イタヤ貝は、イタヤガイ科に属する二枚貝の一種です。扇形の殻を持ち、見た目はおなじみのホタテガイによく似ています。
しかし、貝殻をよく見ると、ホタテ貝とは異なる特徴があります。
ホタテ貝は左右の殻がどちらもふくらんでいますが、イタヤ貝は下側になる右殻が茶わんのように深くふくらみ、上側の左殻は平らです。この平らな殻が、板でふいた屋根の「板屋葺き」に似ていることが、名前の由来とされています。
特徴的な貝殻は、昔の暮らしの中でも利用されてきました。
深くくぼんだ殻に柄を付け、水や食べ物をすくう「貝杓子(かいじゃくし)」として使われたことから、「ヒシャクガイ」「シャクシガイ」と呼ばれることもあります。
食材としてだけでなく、殻の形を生かした道具としても役立てられていたのです。
北海道南部から九州までの沿岸に分布し、主に砂泥底に生息しています。
天然ものに加え、地域によっては養殖も行われています。天然ものは底引き網や桁網などで漁獲されますが、漁獲量は年によって変動するため、ホタテガイほど多くは流通していません。
旬は産地によって異なりますが、冬から春にかけて多く出回ります。
身には甘みと磯の香りがあり、加熱すると適度に締まって、心地よい歯ごたえが生まれます。貝柱のほか、貝ひものコリコリとした食感や、生殖巣の濃厚な味わいも楽しめます。
新鮮なものは刺身でも味わえますが、家庭で試しやすいのがバターしょうゆ焼きです。熱したフライパンや網で火を通し、仕上げに酒と少量のしょうゆ、バターを加えると、貝のうま味を含んだ汁とバターがなじみ、香ばしく仕上がります。
殻ごと酒蒸しにしたり、煮付けにしたりするのもおすすめです。酒と少量の塩で蒸し上げると、貝のうま味が溶け出した汁まで味わえます。



