浅草は美味しい焼きそばの店が揃う街!
昔ながらのソース焼きそばの店が軒を連ねる浅草エリア。ライター・菜々山(以下・菜)と編集・武内(以下・武)が、有名どころを巡ってきました。
まず訪れたのは田原町の『花家』
戦後間もなくの創業とか。
店先の鉄板でお父さんが焼いている焼きそばを注文すると、具は少量のキャベツとモヤシ。
菜「いいね、このシンプルさ」
薄味なので卓上のソースで好みの味に調整する。ここで味について細かく言うのは野暮ってもんでしょう。昭和の食堂の見本のような佇まい、年配の夫婦のあ・うんの呼吸などなど、“焼きそばの向こう側”も楽しめる店なのだ。
次に向かったのは『浅草浪花家』
麻布十番にある元祖たい焼きの店の暖簾分け。ここにも焼きそばは、ちゃんとメニューに載っている。
菜「あ、なんか懐かしい味」
どこで食べたんだっけ? と思い出してみたら、子供の頃に母親が作ってくれた味にそっくり。野菜食べなさいってキャベツいっぱいでね。
武「甘味処の焼きそばはこういうのがいいんですよ! たい焼きというメインを決して喰わない徹底した脇役。でもお腹減ってたら食事もできますよーっていう安心感をさりげなく与えてくれる存在!」
とまあ、武内氏によれば焼きそばとはかくも深いものらしい。
創業から約100年の老舗の喫茶店『デンキヤホール』
さて、焼きそばを薄焼き玉子で巻いた「オムマキ」の元祖の店が浅草にある。創業から約100年の老舗の喫茶店『デンキヤホール』だ。
玉子の中から出てきた焼きそばは、ほんのり甘めで、七味を振るとウマさが一気に増す。
武「これって祇園の原了郭の黒七味じゃないですか」
高級品だよね。庶民的なこの料理に添えてくるなんて太っ腹。店員のおばちゃんも言っていた。
「それが元祖の心意気」と。カッコよすぎ! そのひと言で、焼きそばはモチロン、この店にも惚れた。
浅草駅の地下街にあるのが『福ちゃん』
アルマイト製の銀皿にのって出てきた焼きそばは、太めで多少ゴワついた独特の食感。アルコールもあるので、飲んべえ達が、昼間からこれをつまみに一杯やっている。
菜「この地下街の昭和ノスタルジー満点の雰囲気も、この店の味の一部なんだよなあ」
浅草のソース焼きそばは、飾らない味に風情や下町情緒という絶妙なるスパイスが加わって、何度でも食べたくなる美味しさがあるのだ。また来ようっと。
今回の記事の店舗情報
花家(最寄駅:田原町駅)
花家 (ハナヤ)銀座線田原町駅3番出口すぐ
浅草浪花家(最寄駅:浅草駅)
浅草浪花家 [交]浅草駅から徒歩1分 ※ランチタイム有
デンキヤホール(最寄駅:浅草駅)
デンキヤホールのオムマキ ※ランチタイム有
福ちゃん(最寄駅:浅草駅)
福ちゃんの焼きそば ※ランチタイム有
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