琥珀|60年の時を刻む三島由紀夫も愛したここにしかないバー(バー/湯島)

「昭和の文人たちが愛したバー」特集掲載店、「琥珀」は作家・三島由紀夫が通ったバーとしても有名だ。東大や芸大も近いという場所柄か、どこか知的な華やぎらしきものも感じられる。[交]湯島駅2番出口から徒歩3分、上野広小路駅A3出口から徒歩3分

画像ギャラリー

琥珀(最寄駅:湯島駅)

 オーセンティックとかクラシックとか、そういう言葉で語る必要がない、ここにしかないバーというのがある。それはおそらく時間と人が造るもので、ここ『琥珀』はそういったバーだ。 1955年開業。開業9年目に今の場所に移って以来、変わらずここにある。湯島の繁華街の喧騒からちょっと路地を入って扉を押せば、ぽっかりと落ち着いた空間が現れる。 ここは作家・三島由紀夫が通ったバーとしても有名だ。東大や芸大も近いという場所柄か、どこか知的な華やぎらしきものも感じられる。 三島がよく飲んだというのはジントニック。ボディビルをやった後、その仲間たちと大勢で訪れる、賑やかで楽しい酒だったという。「僕はまだ学生でしたね」 とは、マスターの木村文比古氏。三島をはじめ作家連中には、創業者で明治生まれのママのファンも多かったというが、木村さんはそのご子息。そして今は皆、このベテランバーテンダーに会いに来る。 いつも変わらぬブレることのない所作で、すっと差し出されるマティーニ。ドライなのだが、甘くどこかやさしい一杯は人柄か。ファンは数多い。 氏が厳選して買い付け、ここで時を経てきたボトルも素晴らしい。60年前のものから、デッドストックも数々。「昔のウイスキーは造りが違うんだよ」――なんて話に耳を傾けながら本日も一杯。『琥珀』は変わることなく、時を刻み続けている。

ジントニック

1500円

三島由紀夫が好んだジントニック。そのスタイルは今も変わらない

カルヴァドス

1500円

アンフォラのようなポットに寝かされ、繊細でしなやかな味わいを見せるカルヴァドス

琥珀

[住所]東京都文京区湯島3-44-1 [TEL]03-3831-3913 [営業時間]18時~24時 [休日]日・祝(年末休12/31〜1/3) [席]カウンター9席、10名×1卓、計19席/禁煙席なし/カード可/予約可/チャージ1000円 [交通アクセス]地下鉄千代田線湯島駅2番出口から徒歩3分、銀座線上野広小路駅A3出口から徒歩3分

電話番号 03-3831-3913

2016年1月号発売時点の情報です。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

画像ギャラリー

この記事のライター

関連記事

お通しがチョコレート!? お酒との感動のペアリングを楽しめるバー2選

夕方から開く石垣島の屋台バー 海と空を眺めて呑むのが気持ちよすぎる

「東急歌舞伎町タワー」を完全覆面調査!【4・9・10階編】セレブなシネコンと巨大ダンジョン

スタンディングバーのとん汁は、角煮とふろふき大根も入った具沢山 東京・大手町『壌 大手町』

おすすめ記事

「ダラダラできること」は贅沢だ!ティモンディ前田裕太が“充実した”時間を過ごすために大切にしていること

店内は旅列車そのもの!東京駅ナカ『STATION RESTAURANT THE CENTRAL』で味わえるハヤシライスは食堂車伝統の味 

海鮮クリームもんじゃの衝撃 看板メニューは確かに必食『月島もんじゃ うまうま 四谷三丁目店』

【難読漢字】食べ物クイズ 刃物を使うと縁起が悪い?

半解凍?全解凍?2種の食べ方に迷ってしまう 「まるごとみかん大福」は今治『清光堂』の自信作

子どもたちと囲む天皇家のお祝い御膳

最新刊

「おとなの週末」2024年5月号は4月15日発売!大特集は「銀座のハナレ」

全店実食調査でお届けするグルメ情報誌「おとなの週末」。4月15日発売の5月号では、銀座の奥にあり、銀…