果たして実際に旨いのか覆面調査。その原点ともいえるビーフカツが食べられる店も巡り、本当に美味しい店を見つけてきました。
画像ギャラリー【閉店】牛かつ あおな 高田馬場店【東京・高田馬場】
すき焼きの名店で長年料理長を務め、牛肉を知り尽くした店長の南保秀樹さんが牛かつに選んだのは、なめらかさと柔らかさを併せ持つ内モモ肉だ。好みによって国産牛と黒毛和牛のいずれかを選べる。 なかでも圧巻なのは、主にA4・A5ランク黒毛和牛の、霜降り肉のみを使用する「な」のセット。ふるいにかけてキメを揃えたパン粉をまとわせ、高温の白絞油で揚げること、ほんの数十秒。超レアな肉を口にふくめば、融点の低い上質な脂が、舌の温度でみるみるうちにとけ出し、芳醇な甘みとコクが口いっぱいに広がる。 静岡県の生産者から直接仕入れる、本わさびを添えるのもオススメだ。爽やかな風味が牛肉の味わいをさらに引き立てる。
本来、脂がのりにくい部位の内モモ肉だが、極上の黒毛和牛を使用するため、美しいサシが入っている。ご飯とともに口にふくんだ時のバランスを考慮し、3〜4㎜の薄さにスライスしている
京都勝牛 小川町【東京・神田】
本店を構える京都・先斗町から2014年11月に東京へ進出。同店の他にも続々と店舗を増やしている。使用するのは、キメ細やかな肉質で、力強い風味を持つアメリカ産のロース肉。サクサクとした衣の食感も抜群だ。 ひと口目はだし醤油とわさび、ふた口目は山椒塩と、まずシンプルに味わった後は、かつおダシをベースに、10種類のスパイスをブレンドした、オリジナルのカレーつけ汁で食べるのもいい。はたまた、半熟玉子天の黄身に絡めれば、まろやかなコクを生み出してくれる。
勝牛のつけダレはコレだ! 牛カツソース、山椒塩、特製だし醤油、和風カレーつけ汁、京玉天
半熟玉子天(京玉天)は、カツに絡めたり、和風カレーつけ汁に落としたり、ご飯にのせて贅沢なTKGにしたりと、幅広い楽しみ方ができる。ちなみにご飯のおかわりは無料だ
そよいち【東京・人形町】
2年連続でミシュランガイドのビブグルマンにも選ばれた実力派の洋食店。店主の石井明美さんは、人形町の老舗、『キラク』の創業者の娘で、18歳から厨房に立ってきた。 1人前に2枚づけされるビーフカツは、黒毛和牛のランプとイチボ。特注するごく細かな目のパン粉をまとわせ、約200度に熱した高温のラードでサックリ揚げている。酸味をおさえた自家製マヨネーズで和えた、懐かしい味わいのマカロニサラダのつけ合わせが、これまたニクイ名脇役なのだ。
ほどよい脂の甘みを楽しめるイチボ(手前)と、柔らかな赤身のランプ(奥)の2種類をひと皿で味わえる。セットにはおかわり自由のライスに、ゴボウと豚肉で作る豚汁が付く