もつ焼きの名店が揃う立石は、街のそこかしこで香ばしいタレがふわ〜っと立ち込めます。その匂いに誘われて入ること、十数軒。酒呑みの聖地で出合った絶品の店をご紹介します。
画像ギャラリーうっかり撃沈した “ボール”とは一体?
とある日、京成立石駅に降り立ったのは、ライター・菜々山いく子(以下菜)と編集・戎誠輝(以下戎)。
菜:「電車を降りた瞬間に、香ばしい匂いがするんだけど」
さすが、もつ焼きの聖地と言われるだけのことはある。さっそく向かったのが『宇ち多゛ 』だ。
午後2時の時点で満席の店内には、「カシラ、ワカヤキ、スヤキ、オス」、「アブラスクナイトコ、タレ、ヨクヤキ」など、『ラーメン二郎』よりも難解な“呪文”が飛び交っている。常連さんの助けを借りつつ、なんとか注文したもつ焼きは、都内最高峰とも言える美味しさ。
焼酎ストレートの梅シロップ割りという、この店定番の酒がグイグイ進む。
宇ち多゛
東京都葛飾区立石1-18-8
ホロ酔いでハシゴしたのが『江戸っ子』だ。カウンターのあちこちから飛び交うのは「ボール!」という、これたまナゾのコトバ。
戎「どうやらオリジナルのハイボールのことみたいです」
炭酸がきいていて飲み口爽やか。こってりとして、旨み濃厚なコチラのもつ焼きに、とんでもなく合っている。
戎「コレ、軽いですよね。いくらでもイケる! オカワリ〜」
菜「オトナの清涼飲料水だよね、アハハ〜」
この飲みやすさこそ鬼門ということに、すでに酔っぱらっている我らが気づくハズもなく、あっと言う間に戎氏撃沈。私も午後6時以降の記憶がほぼない。飲み過ぎたんじゃない。立石という土地が生み出す魔力に引き込まれただけなんだ!
江戸っ子
東京都葛飾区立石7-1-9
そうして、準備万端で向かったのが『もつ焼き三平』だ。入り口には、「アルコールの入っている方の入店お断りします」と張り紙がある。さっき、ビール飲もうかと思ったけど、止めといてよかった。立石では、こういった「飲んでいる方お断り」の店がチラホラあるので、ハシゴする際は注意されたし。
さて、こちらではもつの種類に「キンツル」という他の店ではあまりお目にかからない部位がある。訊けば豚の喉の部位だとか。菜「弾力があって、超ジューシー! もつのなかでいちばんスキかも」
ドリンクは焼酎ハイボールだ。梅シロップをちょろっと入れるのがこの店のスタイル。爽やかな風味がついて飲み飽きない。
戎「他のもつ焼きの店と違って一品料理もかなり豊富ですね」
常連さんには、刺身とロールキャベツが、ことのほか人気のようだ。前述した『宇ち多゛ 』、『江戸っ子』の2強に比べると、知名度は低いが、勝るとも劣らない実力店を発見したのです。
もつ焼き三平
東京都葛飾区立石4-27-16
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