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喫茶店カレーの名店『珈琲 門』のハンパないこだわり

「カレー」と聞いて、どんなカレーをイメージするだろうか?
欧風カレー?
それともインドカレーやタイカレー?
最近ではスパイスカレーも人気を集めているが……。
私が思い浮かべるのは、喫茶店のカレー。
缶詰のカレーを温めただけの店もあるが、あれはあれで旨いから不思議だ(笑)。

今回紹介するのは、カレーが旨いと評判の喫茶店。
名古屋高速東片端インター近くにある『珈琲 門』がそれだ。
創業は名古屋市営地下鉄が開通した年と同じ1957(昭和32)年。
2009年(平成21)年に現在の場所へ移転した。

カレーを提供し始めたのは、三代目ママの古川佳奈さんが店を継いだ1998年ごろ。
「それまではトーストやサンドイッチしかなくて、なにか、ほかにフードメニューをと考えていました。
厨房が狭かったこともあって、カレーにしようと」(佳奈さん)

なにはともあれ、店名を冠した名物の「門特製カレー」(680円)を作っていただいた。
一見、ごくフツーのカレーに思えるが、ひと口食べてみると、巷のカレーとは完全に一線を画していることがわかった。

玉ネギの甘みがじんわりと広がった後、時間差で辛さとともに肉の旨みが複雑に絡み合うのだ。
これは、旨いっ!
添えられたコールスローサラダも酸味がほどよくきいていて、合間に食べると口の中がリセットされて、またカレーが美味しくなる。
ヨーグルトドリンクは新潟の「ヤスダヨーグルト」製。
食後に飲み干すと、口の中の辛みが一瞬で消える。
一つ一つが計算されているのだ。

「ルーは業務用のものを2種類ブレンドして使っていますが、ミキサーにかけた、たっぷりの玉ネギとリンゴ、バナナ、トマトを豚骨と牛すじでとったスープでじっくりと煮込みます。
その後、2日間寝かせて完成です」と、マスターの古川正弘さん。

旨いカレーを出す店だから、ルーにこだわるのは当たり前といえば当たり前だ。
この美味しさの秘密はルーだけではない。私がカレーを食べ歩く中で発見した鉄則がある。
それは、「旨いカレーは、旨いご飯があってこそ」というもの。
カレーに限らず、丼ものや寿司など、おかずとご飯が一つになっている料理全般にいえることだ。

「おっしゃる通り、まず、カレーの味付けは、まずご飯ありきで考えました。
私は新潟県出身で、実家は農業を営んでいます。
少量ずつ、精米したてのお米を送ってもらい、それを使っています」(正弘さん)

こちらは、人気の「ハーフ&ハーフ」(880円)。
前出の「門特製カレー」と、鶏肉をじっくりと煮込んだ「チキンハヤシ」が左右にかけられている。
中央のライスは薄焼き玉子で巻かれていて、なんともフォトジェニック。
実際、SNSに多くの写真がアップされていて、それを機に来店する客も多いという。

真ん中をご飯で仕切られているせいか、カレーとハヤシを別々に食べたくなるが、混ぜて食べるのがオススメ。
カレーの辛さは和らぐものの、ハヤシに凝縮された鶏肉の旨みが相まって、めちゃくちゃ旨いのだ。
この記事を書きながら、また食べたくなってしまった……(笑)。

珈琲 門
[住所]愛知県名古屋市東区橦木町1-15 撞木ビル1階
[TEL]052-559-0759
[営業時間]8時~18時半(18時L.O.)※土、祝は9時~18時半(18時L.O.)
[定休日]日曜

永谷正樹(ながや・まさき)
1969年生まれのアラフィフライター兼カメラマン。名古屋めしをこよなく愛し、『おとなの週末』をはじめとする全国誌に発信。名古屋めしの専門家としてテレビ出演や講演会もこなす。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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