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念願叶ってついに登場! 恵美須町の名店「千匹屋」で激ウマのカレー中華そばを食べてきた

汁を飲むと時折ごそっと牛肉が入る。
焚いて煮込まれた牛肉が細かく残り、野菜はわずかその片鱗を残す程度。
汁というより、うま味といったうま味を凝縮させた濃厚カレー。
この日出合った「カレー中華そば」(480円)は、まさに“衝撃的”だった。

知る人ぞ知る、恵美須町の秘境にある隠れた名店「千匹屋」にこのメニューはある。
「うちはメニューをいつも変えてますねん。
常連さんが飽きんように変えて……。
このカレー、6周年のときのあまりで、それを焚いて残ったのをカレー中華にしたんです」
(小林弘美オーナー)

このお店、定番のメニューはお酒しかない(笑)。
あとはこのブラックボードで見て、アテを決める。
とはいえ、この値段。
実に安いのだ。

ビールの大瓶(480円)はこちらから自分で取って、店員に伝えるパターンの酒場。
人情がこのお店には残っているのだ。
赤星を抜いて、置いてみるとこの風情。
ええ雰囲気やないか。

実はこのお店、前は小林米穀店というお米屋さんだった。
父親がお店を畳む……となって、息子さんが立ち飲み屋にした。
屋号の千匹とは、「千人に愛されるお店にする」から千匹屋にしたという。

Uの字型の立ち飲みスタイル。
店前には喫煙者用のテーブル席もある。
さて、そろそろ始めましょか。
まずは「鶏の肝煮」(350円)から。
大きめのゴロっとした肝で、ねっとり系。

味が奥まで染みて、食す大きさを誤ると口内の水分をすべて吸い取るヤツや(笑)。
裏返せばそれほどジックリ煮込まれているのだ。
ちびちび食べてお酒を傾ければ、これほど相性の良い食材もない。
ちなみに、小林さんの父親は今でも釣りが趣味。
それを表すように、店内には魚拓が飾られている。

ときには、釣ってきた新鮮な魚を提供する場合もある。
こちらはブリ。
釣った魚ではないが、「ブリあら煮」が350円と激安。

これを3枚ほどお皿に載せて提供。
実にリーズナブルってものだ。
オープン直後に入ったが、いつの間にか客で店内はあふれかえっていた。
そして……。
冒頭の「カレー中華そば」が運ばれてきた。

この絡み具合といったらミートソースの濃厚さを、カレーに変えたバージョンというべきか。
何杯でもいける味。
定番メニューにしてほしいが、数日後に来店しても、また食べられるどうかもわからない。

「カレーもあるとき、ないとき、ありますねん。
おでんにしたり、メニューの品数もその時によって変化します」
と小林さん。
恵比須町といえば、かつては電気街。
そこから離れた場所にあるポツンと酒場。
ウワサ通り、ええ店やで!

千匹屋
[住所]大阪市浪速区日本橋5-16-5 104
[TEL]06-6632-4514
[営業時間]17:00~23:00
[定休日]日曜

加藤 慶(かとうけい)
大阪在住のライター兼カメラマン。週刊誌のスクープを狙う合間に関西圏の旨いモンを足で稼いで探す雑食系。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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