埼玉県ときがわ町にあるクラフトビールのブルワリー「Teenage Brewing(ティーンエイジブルーイング)」が、昨年2025年10月24日にセカンドブランド「Nobody Brewing(ノーバディー・ブルーイング)」を立ち上げました。設立わずか2年半にして見せた新たな動きはクラフトビール界に大きな衝撃をもたらしました。そこで、新ブランド設立の理由を代表の森 大地さんを直撃。クラフトビール業界の現状についても伺いました。また、記事の公開当日は成人の日。新成人をはじめ、クラフトビール初心者向けにオススメのビールも聞いてきました。
ビールと音楽から見る価格差の違い
「Teenage Brewing(ティーンエイジブルーイング)」は、2023年6月から醸造を開始。「自由で現代的なアプローチで新しい驚きと記憶を創る一杯」を掲げ、今や国内に900を超えるクラフトビールのブルワリーの中でも独自のポジションを確立している。
販売先は全国で1000店を超え、新作がリリースされれば数分で完売。ビアフェスでは提供前から行列ができるほど多くの支持を集めている。
国産クラフトビール業界に新たな風を吹かせているティーンエイジが、新たに仕掛けるのが「Nobody Brewing(ノーバディー・ブルーイング)」。音楽・アート・カルチャーと共鳴するビールづくりのDNAを受け継ぎながら、「クラフトビールをもっと身近に」するための次のステージとして誕生させた。
ありそうでなかった、ひとつのブルワリーがふたつのブランドをもつスタイル。ここに至るまでどのような思いがあったのだろうか。代表の森 大地さんは、自身が音楽家でありライブハウスを運営していることから音楽に例えて話しはじめた。
「ライブハウスって基本的には音楽好きしか来ないので、そうじゃない方にも音楽の楽しさを広めたいという思いがありました。今ビールでもそれと同じような悩みを持っています。
Teenage Brewingは、世界一のビールを作りたいと思ってはじめました。本当においしくなるビールを作ろうと取り組んでいるので、その中で採算度外視というかギリギリで利益をとっても1本1500円のような価格帯になってきます。
自分自身コアな海外のビールをはじめ、いろいろと買っているので、そういう価格帯のビールも買います。自分が造りたいおいしさを追求するとその価格になるのはしょうがないところがあったんですけど、いきなりクラフトビール初心者の方が1500円のビールをなかなか買いづらいですよね。
みなさんだいたいヤッホーブルーイングさんの『よなよなエール』やBREWDOG(ブリュードッグ)さんの『パンクIPA』だったり、COEDO BREWERY(コエドブルワリー)さんのビールあたりからスタートする。そこがなければ最初から1500円のビールを買う人って余程じゃないといない。いってみれば、我々はそういったブルワリーさんからの恩恵を受けているようなものです」
森さんが挙げたブルワリーのビールであれば、350ml缶で1本300〜400円。スーパーやコンビニで買える手軽さもあり、クラフトビールの入口として最適だ。
「音楽はポップなジャンルでもマニアックなものでも、CDの価格にあまり差がない。ただライブのチケットになると違います。メジャーだと15000円くらいするけど、ライブハウスだと2000円で観られることもあります。
ビールはどうしても原価があるので、反対にアンダーグラウンドなものほど1500円とかになってしまう。この価格の壁を超えない限り、いつまでもヤッホーさんやコエドさんのような規模のブルワリーにおんぶに抱っこになってしまう。それはちょっとよくない。
日本のクラフトビール文化の発展で考えると、うちも初心者の方にも興味を持っていただきたい。ただその考えだけでいくと、ライトなビールを作ることになると思うんです。それもいいんですが、もっとクラフトビールの面白さを感じてもらえるサワーエールやいろんな種類のIPAを安い価格帯で楽しんでもらいたい。そこはまだブルーオーシャンというか、できることがいっぱいあるなと思っています」
そうして生まれたのが「Nobody Brewing」だ。
「クラフトビールってこんな面白くて、何なら感動するものなんだよというのがNobody Brewingのコンセプト。クラフトビールを全く知らない人に、生活を一変させるようなワクワク感を与えたい。Nobody Brewingのビールを飲んでいただいて、そこからTeenage Brewingを飲んでもらいたいです」




