常温缶の販売でブームからムーブメント、カルチャーへ
埼玉限定というところにもう少し踏み込んで話を伺うと、今後の展望が聞こえてきた。
「埼玉県のブルワリーであることをすごく言っていただくので、忙しくなってもなるべく埼玉のビアフェスには参加するようにしています。
長く埼玉に住んでいますが『埼玉県のお土産って何?』って聞かれると、草加せんべいか十万石饅頭と答えていて。渋いものが中心になりがち。
うちがコエドさんぐらい全国で有名なブルワリーになれば、埼玉県って結構クラフトビール面白いよねみたいな感じで、お土産でどんどん選ばれるようになるかなと思ってます」
実は埼玉県だけでも約30のブルワリーがある。埼玉がブルワリー天国であることをアピールする側面もあるのだろうか。
「フジロックがカルチャーとしてどんどん栄えていって、みんなが知ってる日本一のロックフェスティバルになったように、ビールというカルチャー・ムーブメントを作っていくのにあたって、まずは地元の小さいグループから広げていきたい。
今、第2次クラフトビールブームなんて言われたりしていますが、ブームの先にムーブメントがあって、ムーブメントからカルチャーに根付く。その順を追っていくのに、地元の埼玉で酒販店、ビアバーと協力してやっていくことがそのスタート地点としていいなと思っています。
自分が約15年前にコエドさんのビールをはじめて飲んだとき衝撃で。地元のいろんな店が取り扱っていて、街の至るところにフラッグが飾られてる。当時のブルワリーではあんまりなかったロゴがあって、『これはなんだろう? クラフトビールなんだ。かっこいい』と思ったのを今でも覚えています。
そういうストーリーが作れるといいなって。埼玉からどんどん進出していきたいですね」
「今年の年末に遠心分離機という機械を導入したいと思ってます。そしてラボ室を整えて研究を行う。それができれば、350mlの缶ビールを常温でも販売できるようになるので、それに向けて今動いています。
遠心分離機が導入できれば、これまでの半分のスピードでビールができあがるようになります。単純計算で1ヶ月でできたものが2週間でできる。そういうイメージです。
常温缶がリリースできるようになれば、スーパーやコンビニといった場所で販売できます。それだけでなく、道の駅にも置いてみたいですね。冷蔵庫がないところもすごく多いので、そういうところにも置いていただけたら。そうすれば、より多くの一般層に届けやすくなると思っています。
また、冷蔵商品については定番の3種類とは別のものを成城石井さんをはじめとする一部スーパーでも販売します。この1年かけてNobody Brewingを広めていきつつ、常温のリリースに備えていきたいですね」
お話を伺ったTeenage Brewingの醸造所は、少し前にプライベートで行ったときより大幅に変化していた。入口にはカンニング(ビールを缶に詰める)前の350ml缶が山のように積み上げられていたし、醸造所にはこれまで手貼りだったラベルを自動で貼る機会が備わっていた。
Nobody Brewingを広めるための動きはすでにはじまっている。今後、あなたの街でもNobody Brewingのビールを見かけることがあるだろう。一度手にとってクラフトビールの世界の一端に触れてほしい。





