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真の感染予防につながる ワクチンよりも大切なこと 自然派医師・本間真二郎の食卓から学ぶ

自然派医師の本間真二郎さん。診療所(栃木県那須烏山市)の裏庭には、1年を通じて様々な野菜が無農薬で栽培されている。

栃木県那須烏山市の自然派医師・本間真二郎さんは、自然に沿った暮らしをすることで、多くの病気がよくなり、からだの不調も改善される――という考えのもと、2009年から、みずから米や野菜を育て、調味料も手作りする暮らしを実践しています。

「新型コロナという感染症に際しても、過度な消毒やワクチンといった外の力に頼るのではなく、免疫の力をつかさどる腸内細菌を元気にして、からだの内なる部分から備えていくことこそが、真の感染予防となります」
という考えです。

そのためには、日々の食生活が何よりも大切です。本間真二郎さんの日常の食と暮らしを追った書籍『病気にならない食と暮らし』(講談社ビーシー)のなかから、そんな腸内細菌を元気にする食生活について本間真二郎さんの日々の食生活を3回に分けて拝見していきます。その1回目は、美味しいものに目がない私たちには少し耳の痛い話です。

カラダが喜ぶものを食べる

美味しいと思うものを食べることは満足感が得られ、精神的にも安定しますから。でも、それだけではいけません。味の濃い美味しいものが、かならずしもからだにいいわけではありませんから。食事は、単に空腹を満たすためのものではない、ということです。

頭(脳)が喜ぶものだけではなく、からだが喜ぶものを選びましょう。そういう視点で食べものと向きあっていると、「からだにとっていいもの」がますます美味しく感じられます。

素材のもっている奥深さと、その素材から五味(甘味、酸味、塩味、苦味、うまみ)が引き出され、美味しさが染み渡る感じがつかめてきます。そしてからだが求めていることを、自然に頭でも楽しく、うれしい感覚としてつかめてくるのです。

たとえば、夏にできるトマトは味が濃く、みずみずしく美味しく感じるように、その季節だったり体質だったりの違いで、欲するもの、美味しいと思うものも、かわるようにできているのだと思います。

腸と腸内細菌にいいものからメニューを考える

現代は、あまりにも浅はかに、からだのほんとうの欲求と頭の満足感を混同している人が多いと感じています。

腸および腸内細菌にとっていいものが、人の健康にとっていいものです。いつも強調していますが、腸および腸内細菌の状態が人の健康にとって、もっとも大切だからです。腸にとってなにが大事かということを考え、それを基準に食材を選んだり、献立を考えたりしてみてください。

わが家の畑では、1年中いろいろな作物がとれます。米や大豆もつくっています。米や大豆から、みそやしょうゆなどの調味料類もできる限り手づくりします。食べるものはなんでもつくる自給自足です。野菜そのものがおいしいので、味つけや料理法はシンプルでも十分に満足感が得られます。

健康でなくなっている大きな理由は加工食品を食べ過ぎていること

私たちが健康ではなくなっている大きな理由のひとつは、加工食品を食べすぎていることにあります。なぜなら、加工食品には保存するための添加物がたくさん入っているから

コンビニ弁当ひとつとってみても、すごい量ですよね。そうでなければ売りものにならないのです。万が一、どこかで食中毒が発生したら、全部回収しなければなりません。そうならないように、添加物や防腐剤だらけにしなければならないのです。これは、食品会社だけが悪いわけではありません。私たちが選択してきた結果でもあるのです。

もうひとつの問題は、加工食品は生きたものではないということ。私たちの腸やからだは、生きたもの、あるいは発酵食品などの微生物が働いたものを食べないと健康にはなれません

加工食品の多いおでん せめて「がんもどき」は自家製で

ならばどうしたらいいか。できるだけ手をかけて、自分でつくることです。私は、それが愛情だと思っています。家で食材や調味料を選んで料理して食べれば、健康的になれます。

まずは、本物の調味料(みそ、しょうゆ、みりん、酢、砂糖、塩など)をそろえましょう。さらに、鮮度がよく、ていねいに栽培された米と野菜が必要です。素材そのものがおいしければ、味つけもシンプルで結構。毎日楽しくつくることができて、おいしさに驚くでしょう。

これが「自然食」の醍醐味なのです。いやいやするのは逆効果。時代にあわせて手の抜きどころもあっていいでしょう。できる範囲で続けてみてください。

病気にならない寒い時の食卓 「自家製がんもどき」でつくる熱々おでん

そうは言っても、いきなり調味料から手づくりすることは、ハードルも高いもの。そこでまずは、ふだんコンビニや、レトルト食品でお世話になっているものから手づくりすることが第一歩です

まずは、コンビニでもよく目にするおでんを手づくりしてみましょう。おでんの具には加工食品がたくさん使われています。ほんとうは、ちくわなども含めて手づくりしたいものですが、ハードルも高いので、まずは手軽にできる「自家製がんもどき」から、挑戦してみてはいかがでしょうか。

「自家製かんもどき」のレシピ

【材料】(つくりやすい分量)
木綿豆腐1丁、やまといも40g、にんじん20g、いんげん3本、ひじき3g、卵1個、白ごま大さじ1、小麦粉大さじ4、しょうゆ、塩各小さじ1/2、みりん小さじ1、揚げ油適量

【つくり方】
(1)豆腐は水切りし、裏ごししておく。
(2)やまといもはすりおろし、にんじんはせん切りに、いんげんは輪切りにする。
(3)ひじきは戻しておく。
(4)(1)(2)の下ごしらえをした豆腐、やまといもに、卵、白ごま、小麦粉、調味料を入れ、よく混ぜる。
(5)(4)に、にんじん、いんげん、ひじきを加えてさらに混ぜる。
(6)熱した揚げ油にスプーンでタネを落とし、じっくり両面きつね色になるまで揚げる。おでんのタネにするときは、揚げる時間を長めにとり、しっかり火をとおす。完全に冷めてから使うとくずれにくい。

「おでん」のレシピ

【材料】(つくりやすい分量)
大根、こんにゃく、卵、練りもの(ちくわなど)、自家製がんもどき、玄米もちきんちゃくなど各適量、だし汁、しょうゆ、みりん各適量

【つくり方】
だし汁にしょうゆとみりんを加えて調味しておく。それぞれ下ごしらえした具を加えて、じっくりコトコト煮る。

寒い時のおすすめもう一品 「豆乳シチュー」のレシピ

【材料】(4〜5人分)
じゃがいも2個、さつまいも1/2本、にんじん中1本、ブロッコリー1/2個、白菜3〜4枚、塩少々、玉ねぎ1と1/2個、にんにく(みじん切り)1片、植物油大さじ2、塩麹大さじ1〜2、ほたて缶1缶、水5カップ、豆乳1カップ、玄米粉(米粉)大さじ4

【つくり方】
(1)じゃがいも、さつまいも、にんじんはひと口大に切る。
(2)ブロッコリーはさっとゆで、小房に分ける。
(3)白菜はざく切りし、塩少々で軽く焦げ目がつくようにさっと炒めておく。
(4)玉ねぎは1個をみじん切りに、1/2個を乱切りにする。
(5)フライパンに油を熱し、玉ねぎ、にんにくのみじん切りを、弱火で透きとおるまで炒める。
(6)残りの野菜を加えてさらに炒め、玄米粉も加えて炒める。水とほたて缶を汁ごと加え、やわらかくなるまで煮る。弱火にして塩麹を加え、火を止める。最後に、別の鍋で温めておいた豆乳を加える。

本間真二郎(ほんま・しんじろう)氏のプロフィル

医師、七合診療所所長。1969年、北海道札幌市に生まれる。札幌医科大学医学部を卒業後、札幌医科大学附属病院、道立小児センターなどに勤務。2001年より3年間、NIH(アメリカ国立衛生研究所)にてウイルス学、ワクチン学の研究に携わる。帰国後、09年、栃木県那須烏山市に移住し、現在は同市にある「七合診療所」の所長として地域医療に従事しながら、自然に沿った暮らしを実践している。近著に『感染を恐れない暮らし方 新型コロナからあなたと家族を守る医食住50の工夫』(講談社)があり、そのビジュアル版『病気にならない食と暮らし』(講談社ビーシー)を、20年12月、オンデマンド版として刊行。

【新刊紹介】
『病気にならない食と暮らし』オンデマンドペーパーバック(税込み1980円、講談社ビーシー)
那須烏山の自然派医師・本間真二郎さんの春夏秋冬の食と暮らし方を、たくさんのカラー写真で再現した名著が、待望のオンデマンド版となりました。麹、みそ、しょうゆをはじめ手作り調味料、発酵食品の作り方、春夏秋冬の食卓、定番のおかず、干し野菜のすすめ、ごはんのおともなど、自然な暮らしでの実践レシピがいっぱいです。

『病気にならない食と暮らし』オンデマンドペーパーバック版の購入はこちら

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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この記事のライター

おとなの週末Web編集部 堀
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