東京駅がまた美味しくなった。2020年8月に全体開業した改札内の「グランスタ東京」には、飲食店や土産物店など60店舗あまりが集結。しかも人気店の東京駅店がずらりで、「これが駅ナカ?」と驚かされるレベルの高さ。中でもここは必食の価値ありな店を厳選して紹介します。東京駅の使い方が変わる、まさに革命的エリアです。3回目となる今回は洋食・スイーツ・その他のおすすめ店。『おとなの週末』編集部員的グランスタ東京の楽しみ方もご紹介。必見です!
画像ギャラリー【洋食のお店編】
1ヶ月かける黒いカレー 背筋も伸びるような奥深く上品な味わい 『格之進 ハンバーグ&バル』
店内はここが駅構内ということを忘れる重厚な空間だ。創業は1889年、日本の洋食文化の礎を築いたと言っていいだろう。天皇の料理番を輩出、帝国議会議事堂(現:国会議事堂)が完成した際の祝賀会の献立を担う、華々しい歴史の一部が壁に飾られた写真や資料で紹介されている。
さて、そんな店の名物がご覧の「ロイヤルブラックカレー」。完成までになんと1ヶ月を要するという。その多くの時間を費やすのがルゥ作り。松阪牛の牛脂と小麦粉をひたすら炒めて焙煎。そこに秘伝のスパイス、松阪牛、玉ネギ、ブイヨンなどを入れてカレーが完成する。なめらかな口当たりの後からどこまでも深い芳醇な甘みが押し寄せてくる。丁寧に作り込まれた逸品を、じっくりと味わってほしい。
TEL:03-3214-2882
営業時間:8時~22時(21時半LO)、日・連休最終日の祝日10時~21時半(21時LO)
定休日:施設に準ずる
交通:グランスタ地下北口から徒歩1分
往年の特急列車を思わせる食堂車が東京駅構内に出現 『STATION RESTAURANT THE CENTRAL』
店内は旧型の客車が停まっているような内装になっていて、その奥の空間は往年の特急列車の食堂車!この中で、「北斗星」や「カシオペア」のフランス料理を監修していた総料理長・五十嵐章さんの料理が味わえるのだ。
食堂車の洋食に欠かせないデミグラスも健在だが、こちらの店は老若男女が利用する東京駅構内ということで、玉ネギやトマトを増量して甘みを強めたという。なかでも、新作の「食堂長自慢のスペシャルハヤシライス」は、新たに添えられたマスカルポーネとデミグラスのハーモニーが加わって、まろやかでやさしい味わいに。
テーブルにはクラシカルなランプ、荷物置きの金網があるほか、客車の端には展望デッキも。あぁ、わくわくが止まらない!
TEL:03-6256-0583
営業時間:11時〜22時(21時半LO)、日・連休最終日の祝日11時〜21時半(21時LO)
定休日:施設に準ずる
交通:グランスタ地下北口から徒歩1分
【スイーツのお店編】
エルメのスイーツを楽しんだあとは各地の逸品をお土産に 『Made in ピエール・エルメ グランスタ東京』
ピエール・エルメが日本のいいものを世界に発信するコンセプトショップ。丸の内に続いて、2店舗目となる。せんべい、海苔、缶詰、米といった日本の食品がずらりと並ぶなか、ひときわ目を引くのが、白い雲のようなメレンゲのスイーツ。サクふわのメレンゲに、もちっとしたマカロンとカリカリのナッツが重なって、歯応えも楽しい。見た目は愛らしいが、爽やかなレモンとジンジャーが利いた大人の味わいだ。
グランスタ東京限定というウィークリー弁当にも注目したい。和と洋の融合をテーマという工夫を凝らした内容で、なんとうれしいお菓子付き!
TEL:03-6268-0077
営業時間:8時~22時、日・連休最終日の祝日〜21時
定休日:施設に準ずる
交通:グランスタ地下北口から徒歩1分
カカオハンター®×JR東日本フーズ 初のリアル店舗 『CACAO HUNTERS Plus』
チョコレートのジェラート「アルアコ」の爽やかさが衝撃的。後味がさっぱりしているのは、コロンビアの山奥で栽培される華やかな香りのカカオのチョコレートを、ミルクを使わず水ベースでジェラートに仕立てたから。この山奥の先住民族・アルアコ族との出会いは、カカオハンター®小方真弓さんの人生を変えることに。確かに、人生が変わったというのを納得できる美味しさだ。
チョコレートドリンクも濃厚だがサラリとした飲み口で、ひと口でハマってしまった。店内のオブジェのカカオに囲まれ、ひと休みスポットとしても気軽に利用したい。
TEL:03-5218-7031
営業時間:9時~22時、日・連休最終日の祝日9時~21時
定休日:施設に準ずる
交通:丸の内地下中央口から徒歩1分
【その他のお店編】
ありそうでなかった蕎麦前が楽しめる駅ナカの蕎麦店 『江戸切り 助六そば ぬる燗佐藤』
駅ナカの蕎麦屋の味は二の次なんて思っていたけど、こちらの「枡そば」の麺は細めでコシがあり、のど越しが爽快。天ぷらはサクサクで、香ばしいゴマ油の香りもふわっ。そして〆に蕎麦湯!これがあるとないとでは、満足感が大違い。ただし、注文を受けてから調理するため、立ち食い蕎麦のように提供が超特急というわけにはいかない。逆に、ここではゆっくりと。
日本酒にこだわった「ぬる燗佐藤」の系列店で、日本酒は20種類以上揃い、飲み比べも可能。旬の料理や天ぷらをつまみに、駅構内で蕎麦前が楽しめるなんて、なんていい時代になったもんだ!
TEL:03-6206-3248
営業時間:10時~22時(21時半LO)、土8時〜22時(21時半LO)、日・連休最終日の祝日8時~21時半(21時LO)
定休日:施設に準ずる
交通:丸の内中央口から徒歩1分
皮からあふれる肉汁をクラフトビールで流し込む 悶絶するほど名コンビ 『東京ギョーザスタンド ウーロン』
熱々をパクッとすれば、まるで小籠包のごとく流れ出す大量の肉汁。そこへすかさずビールをプハーッ!旨いを通り越してもはや快感だ。イベリコ豚のバラと国産の肩ロースを合わせた餡は、ジューシーかつ旨み濃厚。それを受け止める皮はちょっと厚めでモチモチだ。ガラス張りになった作業場では、せっせと皮を伸ばし、餡を包んでと、いつでも作りたてを用意してくれる。
壁に並んだ5つのビールタップは全てクラフトで、一押しがオリジナルの「ウーロンエール」。ホップの香りと烏龍茶の香ばしさで後味すっきり。さあ、もうひと皿いっちゃおう!
TEL:03-6259-1991
営業時間:10時~22時(21時半LO)、日・連休最終日の祝日10時~21時半(21時LO)
定休日:施設の休館日に準ずる
交通:グランスタ地下北口から徒歩1分
※現金不可(カード、電子決済のみ)
多彩に使えて贅沢な気分も味わえる新感覚パニーノバー 『東京パニーノ アロマフレスカ』
イタリアンの名店「アロマフレスカ」が、東京駅にふさわしいバルとして、パニーノとワインという今までにない組み合わせを考案。まずは、一番食べ応えがありそうな「ビステッカ」をほおばると、歯ですっと切れるやわらかな肉の旨みと塩味が、ディルやルッコラの香るソースとマッチして、ワインが進む!コンベクションオーブンの予熱で仕上げたという上州牛ロースのレア感も堪らない。ほかのパニーノも、前菜やパスタをイメージした具が揃っていて、どれも完成度が高い。
新幹線の改札が目の前だから、発車3分前まで余裕で飲んでいられるという立地も最高。330円の小皿もあれば、レストラン級の料理も揃っていて、軽く一杯はもちろん、ディナーにも使える。こりゃ、来訪必至だな。
TEL:03-5218-8212
営業時間:8時~22時(21時半LO)、日・連休最終日の祝日8時~21時半(21時LO)
定休日:施設に準ずる
交通:八重洲北口から徒歩1分
メキシコ人も驚いた自家製トルティーヤの焼きたては感動モノ『北出TACOS』
日本橋にある『北出食堂』で人気のタコスに特化。小麦粉の自家製トルティーヤは見たことがあるけど、ここはなんと北海道産トウモロコシを使用。食べればもちっとやわらかくて、今までのトルティーヤとは別物だ。そして、中の具もひと味違う。例えば、東京スペシャルタコスのビーフステーキは、塩コショウだけなのに、肉の旨みが濃い。ホルモン剤不使用のグラスフェッドビーフ(牧草牛)のハラミ肉で、味だけでなく安心で栄養価も高いという。
肉は遺伝子組み換え食品や化学調味料不使用の“NoMSG,NoGMO”が素材選びのルールだ。トルティーヤが自家製なのもそのため。となれば、テキーラをぐびっとやりながら、思う存分食べても問題なし!
TEL:03-6259-1699
営業時間:10時~22時(21時半LO)、日・連休最終日の祝日10時~21時半(21時LO)
定休日:休施設に準ずる
交通:グランスタ地下北口から徒歩1分
※現金不可(キャッシュレス決済のみ)
グランスタ東京『おとなの週末』編集部員はこう楽しみます(1) 目移り必死!駅ナカ飯の王様グランスタ東京で「麺」めぐり
駅での乗り換え時の食事といえば、やっぱり蕎麦。ここ、グランスタ東京の蕎麦は上記の『助六そば』をはじめ、こだわりの味揃い。1階吹き抜けエリアにある『そは二○(ソバニワ)』は、ダシにこだわると謳うだけあってツユが旨い。カツオの風味がふんわり漂い、蕎麦を啜れば、やわらかなかえしの味わいと共に、口の中にググっと広がる。名物の天かすとカツオ節、さらに肉厚の揚げが入る「むじなそば」(750円)はワンランク上の駅蕎麦で満足度高し。
グランスタ東京近くの改札内に新設された『蕎麦29東京(ソバニクトウキョウ)』(1階)はツユ、蕎麦だけでなく、29=肉の通りたっぷりのった豚肉がウリ。肉の旨みが蕎麦&ツユをコク深くし、腹ごしらえにぴったりの食べ応えとなっている。
ところで、グランスタ東京(改札内)で啜れる麺は蕎麦だけではない。ラーメンもまた充実している。『南国酒家47china』(地下1階)ではグランスタ東京店限定で日本各地の食材を使った料理と、同店限定の麺を使ったラーメンが楽しめる。スープと絡まった麺を啜った時の口の中の幸福感ときたら……千円を超える値段も納得なのだ。
そして『雷 東京本丸店』(1階)だ。松戸の人気店「とみ田」が手がけるガッツリ系のラーメンは濃厚なスープと極太ちぢれ麺、そしてドデカいチャーシューとボリューム満点だ。と、蕎麦もラーメンも個性派の美味満載。これだけ揃っているだけに、迷って、電車に乗り遅れないように要注意です。
グランスタ東京『おとなの週末』編集部員はこう楽しみます(2) 美味しいビール揃ってます!グランスタ東京のほぼ全泡制覇
東京駅はビアスポット激戦地。グランスタ東京にある最新店を、年間約300杯は呑むビール好きな『おとなの週末』編集・戎が巡りました。
まずは、丸の内と八重洲を結ぶ北地下自由通路沿いにある『DEPOT』。昔ながらのスイング式で注ぎ口が蛇口という”スイングカラン”で黒ラベルを飲ませてくれる。薄張りグラスでお出まし。きめ細かい泡の後から麦汁がクーッと喉を伝い、麦芽の香りが鼻を抜ける。プハァ、これぞニッポンのビール。 旨い!ここで飲みたかったビールがもう一杯。ミルコだ。グラスの9割が泡という代物。飲むと淡雪のごとく、クリーミーな泡が飛び込む。かすかに残る麦の香りがいい。ついにミルコまで飲めるようになるとは、東京駅はつくづくビールタウンだと思う。
このミルコ、改札内の『Tokyo Station BeerStand』でも飲める。スーパードライで作るそれは、あのキレを泡が包み込む。飲み口が軽くなり、スッと胃袋に収まった。
そのまま改札内を闊歩し、先ほど紹介した『北出TACOS』へ。メキシコビールがあると聞いていながら、つい本日のクラフトビールを呑んでしまう。
そして1階へ上がって、『東京パニーノ アロマフレスカ』でイタリアビールの生をいただく。これがキレがあって爽快感抜群。口当たりがよくグビッとイケた。
最後は、大好きなクラフトビールを。丸の内1階北改札を出て左手にある『常陸野ブルーイング 丸の内』だ。ネストビールを全10種類取り揃える。イートインで飲むのもよかったが、テイクアウトできるのもいい。東京駅丸の内駅舎を見ながら、新幹線のお供にと想像が膨らむ。楽しい!
※店のデータは、2021年1月号発売時点の情報です。
※全国での新型コロナウイルスの感染拡大等により、営業時間やメニュー等に変更が生じる可能性があるため、訪問の際は、事前に各お店に最新情報をご確認くださいますようお願いいたします。また、各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いいたします。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。
画像ギャラリー