『海上海』 @根津
ぎゅっと詰まった餡からは甘みと旨みが押し寄せる
店主の王新毅さんは上海の出身。上海で10年調理師を務め、日本に来て20年ほど。本場で覚えた味に、日本人の舌に合うようにとアレンジも加えた上海家庭料理だ。
骨付き蒸し鶏の糟滷(ザオルー)漬け 650円 ゆでワンタン自家製ラー油のせ(6個) 700円
基本は本格派。しかもリーズナブルでボリュームもあるから学生や家族連れにも人気だ。中でも人気のひとつが、手作り、自家製の点心。海老春巻、大根餅、ゆでワンタン、餃子……と10種類以上。見逃せないのが「ジャンボ焼売」だ。
熱々で供される焼売は確かに迫力十分。ふわりと柔らかな皮に包まれた餡には、干しエビとしいたけ、玉ねぎと挽き肉がたっぷり詰まっている。
パクリとやると、もちもちした食感から甘みと旨みが押し寄せてくる。酢醤油につけ紹興酒と合わせたら、もう止まらない。
[住所]東京都文京区根津2-29-3
[電話]03-5832-4787
[営業時間]11時~14時半、17時~23時(22時半LO)
[休日]無休
[交通]地下鉄千代田線根津駅1番出口から徒歩4分
『平和軒』 @五反田
地元で人気の老舗の味わいは安定の旨さ
グリーンピースがちょんとのった定番の姿に思わず頬がゆるむ。噛み締めれば肉感むぎゅっ、玉ねぎの甘さふんわり。そうこれこれ。体の中にある郷愁という感情が一気にあふれ出て泣けてくる。焼売をあーだこーだと書いてきたけど、ふと求めるのはこんな味。
「先代の父は風変わりな料理が嫌いで( 笑)。うちはどれも奇をてらわない味なんです」。3代目が話すように、焼売も〝ザ〟が付くほど王道だ。皮まで手作り。そもそも麺も餃子の皮も全部自家製で、焼売の場合はワンタンより薄くなるよう丁寧に手で延ばすんだとか。
しゅうまい 650円
つるんとほどよい食感の皮とゴマ油多めの種、それが一体となった味はホッとする旨さ。うれしい時も泣きたい日も、食べたくなる味なんです。
[住所]東京都品川区西五反田7-18-4
[電話]03-3491-4301
[営業時間]11時~14時半、17時~21時(水の夜は休)
[休日]土・日・祝
[交通]JR山手線ほか五反田駅西口から10分、東急池上線大崎広小路駅から徒歩5分
撮影/竹崎恵子(千の香)、小澤晶子(Foo、廣安)、西崎進也(海上海、平和軒)、取材/肥田木奈々(千の香、Foo、廣安、平和軒)、池田一郎(海上海)
※2022年9月号発売時点の情報です。
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