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たくさんの選択肢から選ばせるのは要注意

ただし、「何からがいい?」というように、たくさんの中から選ばせるという聞き方は要注意。選択肢が多すぎると、迷ってしまって逆に選べなくなり、選ぶこと自体をやめてしまうのです。これを、心理学用語で「選択のパラドックス」といいます。

コロンビア大学のシーナ・アイエンガー博士による「ジャムの実験」というものがあります。24種類のジャムを並べて売ったときと、6種類のジャムを並べて売ったときを比較してみると、6種類だけ置いたときのほうが、売り上げがよかったのです。

つまり、たくさんの選択肢があると、選ぶこと自体を脳が嫌がり始めるのです。特に、日本を含むアジア圏では、選択肢は少ないほうが選びやすいと感じる人が多いようです。

もし、「どっちも嫌だ」と言われたときは、「じゃあママが選んじゃっていい?」と言うと、高確率で自分で選ぼうとします。やはりこれも、心理的リアクタンスの効果。誰かに自分の行動を決められてしまうくらいならば、自分で決めたいと、急いで判断しようとするのです。

命令とは、自発的なやる気をなくさせるものです。人に命令されてやらされても、「自由を奪われた」という感覚がつきまといます。逆もしかりで、「絶対にこのボタンを押してはいけない」と言われると、なんだか押してみたい気持ちになります。つまり、言われたことと逆のことをしたくなるのです。

マンガと文/杉山奈津子(すぎやまなつこ)

杉山塾代表。1982年、静岡県静岡市に生まれる。静岡雙葉高校3年時の実力模試は「偏差値29」だったが、独学勉強法で1浪後、東京大学理科二類に合格。2006年、東京大学薬学部を卒業後は、作家、イラストレーター、心理カウンセラーとして活動。2020年、静岡市内に「杉山塾」を開き、小学生~高校生の学習塾代表として活動中。近著に『東大ママの「子どもを伸ばす言葉」事典』(講談社ビーシー/講談社)がある。

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おとなの週末Web編集部
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