週刊漫画誌「モーニング」(講談社発行)で連載中の「クッキングパパ」は、主人公のサラリーマン荒岩一味が、得意の料理の腕を振るって、家族や同僚らとの絆を深めるストーリーが人気。 著者のうえやまとちさん自身が、試行錯誤を繰り返…
画像ギャラリー週刊漫画誌「モーニング」(講談社発行)で連載中の「クッキングパパ」は、主人公のサラリーマン荒岩一味が、得意の料理の腕を振るって、家族や同僚らとの絆を深めるストーリーが人気。
著者のうえやまとちさん自身が、試行錯誤を繰り返しながら作り上げた自信作のオリジナルレシピを、詳細なイラストと臨場感あふれる筆致で紹介しています。本欄では3月3日号で通算1600話を突破した膨大なエピソードのなかから、毎週1つを取り上げ、その料理にまつわる四方山話をお届けします。
長引くコロナ禍で、自炊をする人が増えているいま、「クッキングパパ」を参考に料理を作って食べて楽しんでみませんか。第43回は「ローストビーフ」です。
最も旨いのはサーロイン!? ローストビーフは牛肉の部位が味の決め手!
ローストビーフは、華やいだ雰囲気を演出してくれる一品として、パーティー料理に欠かせません。フライパンで焼き目をつけたら、後はオーブンにお任せ! 香味野菜と蒸し焼きにしたら、余熱でしっとり風味豊かに仕上げます。
ローストビーフの味わいは、牛肉の部位によって異なります。クッキングパパ 第6巻「COOK.60 クリスマスにローストビーフ」では、ロースを使用。作中では「もっともうまいのはサーロイン」と記しています。
お好みの部位が決まったら、かたまり肉で1~1.5kgを用意します。全面に塩コショウ(ブラックとホワイトペッパー)を多めに手でよくすり込んで、1時間ほど室温で寝かせ、染み込ませます。
玉ねぎやパセリ、ニンジンといった香味野菜の下処理をしておきましょう。ニンニクは2、3かけに切れ目を入れ、セロリの葉はザク切りに、根元の硬い部分もつぶして使います。ショウガはスライス3枚ほどで充分です。
クッキングパパ「ローストビーフ」レシピは肉汁回しかけ&風味付けがポイント!
肉は焼く前に形が崩れないよう、たこ糸で軽く縛っておきます。きつく締めすぎると、焼いた後、たこ糸が肉に食い込んでとれにくくなるので要注意。
オーブンを220℃で20分に設定し、予熱します。その間、フライパンに油をひき、強火で脂身の多い面から1面につき1~2分程度を目安に、全6面に焼き色を付けていきます。
取り出した肉はオーブン皿にのせ、周りに香味野菜をたっぷり並べます。オーブンで蒸し焼きにしている途中、ドアを開けてパットにたまった肉汁を4、5回程度全体にかけるのがポイント。風味付けをするためです。
裏返して20~30分焼き、竹串を刺して澄んだ赤い肉汁が出ればOK。
さらにアルミホイルでぴったり包み、15分ほど放置。余熱でじんわり火を通せば、しっとり柔らかくジューシーに仕上がります。
肉汁は捨てずにソースで活用
その間、グレービーソースを用意。グレービーとは、肉汁のこと。パットに残った肉汁を最大限活用しましょう。
まず、小鍋でコンソメスープを作り、肉を取り出したパットに注ぎ、火にかけます。底についたおこげも旨味となるので、そぎ落としながら混ぜ合わせます。
赤ワイン、醤油を少々入れ、煮立ったら火からおろして、先の小鍋に戻します。その際、香味野菜が混じらぬよう網でこしてから、汁だけ入れるようにします。最後に水溶き片栗粉でとろみをつけます。
風味豊かなソースをまとったローストビーフは、感動を呼ぶ味わい。豪華ながら、意外と簡単にできるのもうれしい限りです。
食べ切れない場合は、スライスせず、かたまりのまま保存するのがおススメ。表面の水分をしっかり拭き取り、ラップやアルミホイルで隙間なく包み、さらに空気を抜いて保存袋に入れれば、冷蔵庫のチルド室で3、4日程度持ちます。
文/中島幸恵、漫画/うえやまとち
◆『クッキングパパ』とは?
福岡市博多を舞台に、商社の営業課に所属するサラリーマン、荒岩一味が家族や同僚、友人らに得意な料理の腕前を披露、食を通じて周囲の人々に笑顔とパワーを与える物語。作中ある料理のレシピは、定番料理からオリジナルメニュー、地元九州の郷土料理まで多岐にわたり、詳細なイラストとポイントを押さえた簡潔な説明はいま、すぐ作りたくなると好評を博している。 週刊漫画誌「モーニング」(講談社発行)で1985年から連載している人気シリーズで、2022年10月現在、単行本は163巻。