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週刊漫画誌「モーニング」(講談社発行)で連載中の「クッキングパパ」は、主人公のサラリーマン荒岩一味が、得意の料理の腕を振るって、家族や同僚らとの絆を深めるストーリーが人気。

著者のうえやまとちさん自身が、試行錯誤を繰り返しながら作り上げた自信作のオリジナルレシピを、詳細なイラストと臨場感あふれる筆致で紹介しています。本欄では2022年3月3日発売号で通算1600話を突破した膨大なエピソードのなかから、毎週1つを取り上げ、その料理にまつわる四方山話をお届けします。

長引くコロナ禍で、自炊をする人が増えているいま、「クッキングパパ」を参考に料理を作って食べて楽しんでみませんか。第48回は「とうふを作ろう」です。

大豆の下ごしらえから驚きの連続!

とうふの材料は大豆とにがりだけ、至極シンプルです。クッキングパパ第15巻「COOK.142 とうふを作ろう!!」を参考に、興味津々、手作りにいざチャレンジ!

大豆はたっぷりの水につけて、ふやかします。夏は半日、冬は丸1日が目安です。十分水を吸って柔らかくなったら、大豆をつけ汁ごとミキサーに入れて、水を加えながら、クリーム状になるまですりつぶします。ミキサーの代わりに、すりこぎでもできます。

それを大鍋に移し、中火にかけて煮ます。沸騰したら弱火にして、焦げ付かぬよう絶えず鍋底から木べらをゆっくり動かします。ブクブク泡が出たら、そのつどお玉ですくりとります。

20~30分ほど煮て、泡がおさまりとうふらしい臭いがしてきたら、火を止めます。ここからが勝負!熱いうちに布に注いで濾(こ)して、丁寧に絞ります。布は大判のさらしもめんがベスト。使い易いよう、予め袋状に縫っておくと便利です。また、ゴム手袋をはめて行うと、火傷を防止になります。お子さんと一緒に行う際は、要注意。

布に残ったおからも、食物繊維が豊富で栄養価も高く、捨てずに有効活用できます。ニンジンや油揚げなどと一緒に、甘辛く煮た「卯の花」はいかがでしょう。

「え…、お豆腐って自分で作れるの??」と思わず声が出た「とうふレシピ」。出来たてがめっちゃ美味しいです

オリーブオイルやごま油と塩…アイディア次第で広がる食べ方

いよいよ仕上げに入ります。絞り汁=豆乳を70℃程度に温めたら、水で溶いたにがりを加えて凝固させます。にがりが均一に行き渡るよう軽く混ぜ合わせるのが、食感を左右するポイント。温度が高すぎると湯葉ができるので、取り除きます。

しばらく置いて、水が分離して澄んできたら、とうふになる方をガーゼ2、3枚重ねた型にそっと流し込みます。この型ですが、牛乳パックや、市販のとうふの空き容器に穴をあけたものを活用。布できっちりくるみ、上に皿などの重しを1キロ程度のせ、30分ほど水気を切ります。型からはずす際は、水の中でそっと取り出しましょう。

出来立てのとうふはふわふわ、つるんとのど越しなめらか。大豆のほのかな甘味がぎっしり詰まった濃厚な味わいがたまりません。冷奴なら醤油と薬味のほか、オリーブオイルやごま油と塩もおススメ。鱈(たら)やネギと一緒に湯豆腐でもどうぞ。

作っているうちにどんどん美味しそうに見える!!!!

もめんときぬの違いは“生地(布)”にあらず、工程にアリ

ところで、出来上がったとうふは、もめんなのか、きぬなのか?両者の違いは?

とうふの製造業者でつくる「日本豆腐協会」のホームページに「もめんときぬの違い」について記載があります。それによると、「もめん豆腐は、豆乳に凝固剤を加えて一度固めたものをくずしてから、圧力をかけて水分をしぼり、再び固めたもの」とあります。一方、「きぬ豆腐は、もめん豆腐よりも濃い豆乳に凝固剤を加えて、そのまま固めて作ったもの」と区別しています。

今回の手作りとうふは、水分を抜いて固めていることから、もめんとうふとなります。

また、製造工程の違いによって栄養価も両者異なり、植物性たんぱく質やカルシウム、鉄分はもめんとうふの方が高く、ビタミンB群やカリウムはきぬとうふの方が豊富とされています。

文/中島幸恵、漫画/うえやまとち

『クッキングパパ』とは?

福岡市博多を舞台に、商社の営業課に所属するサラリーマン、荒岩一味が家族や同僚、友人らに得意な料理の腕前を披露、食を通じて周囲の人々に笑顔とパワーを与える物語。作中ある料理のレシピは、定番料理からオリジナルメニュー、地元九州の郷土料理まで多岐にわたり、詳細なイラストとポイントを押さえた簡潔な説明はいま、すぐ作りたくなると好評を博している。週刊漫画誌「モーニング」(講談社発行)で1985年から連載している人気シリーズで、2022年12月現在、単行本は163巻。

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中島幸恵
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