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週刊漫画誌「モーニング」(講談社発行)で連載中の「クッキングパパ」は、主人公のサラリーマン荒岩一味が、得意の料理の腕を振るって、家族や同僚らとの絆を深めるストーリーが人気。

著者のうえやまとちさん自身が、試行錯誤を繰り返しながら作り上げた自信作のオリジナルレシピを、詳細なイラストと臨場感あふれる筆致で紹介しています。本欄では3月3日号で通算1600話を突破した膨大なエピソードのなかから、毎週1つを取り上げ、その料理にまつわる四方山話をお届けします。

長引くコロナ禍で、自炊をする人が増えているいま、「クッキングパパ」を参考に料理を作って食べて楽しんでみませんか。第46回は「ぜんざい」です。

汁アリ? ナシ? つぶあん? それともこしあん?

小豆(あずき)を煮た上に、お餅をのせていただく「ぜんざい」と「お汁粉」。小豆汁の有無やつぶあんか、こしあんか…等々、地方によって呼び名も作り方もさまざまです。素朴な味わいは、日本を代表するスイーツとして不動の人気を誇ります。

クッキングパパ第6巻「COOK.61 鏡開きにぜんざいを作ろう」では、仕事始めに荒岩主任(当時)が、集まった社員にぜんざいをふるまいます。「こういうもの(ぜんざい)を食べると和気あいあいになる」と、皆が喜ぶ姿が印象的です。

小豆に塩をプラス、ほんのり甘みを引き立てて

まずは、小豆の下ごしらえから。電気保温ポットに水洗いした小豆と、その3倍以上の熱湯をたっぷり入れて、2~3時間からひと晩そのまま置きます。

小豆だけを取り出して鍋に移して、小豆がかぶるくらいの新しい水を入れてから火にかけます。沸騰したら、コップ1杯ほど足し水をすると、小豆の皮が破れにくくなります。

一度煮汁を捨てたら水を入れ替えて、再度弱火でじっくり煮込んでいきます。小豆を一粒取り出して、指でつまみほろっと崩れるくらいの柔らかさになったら、砂糖とひとつまみの塩を加えて、さらに弱火でトロ~リとなるまで煮詰めます。4~5時間ほどじっくり煮込めば、小豆の中まで甘さがなじみます。ひとつまみの塩は、小豆の甘さを引き立ててくれるのでお忘れなく。

砂糖の量ですが、小豆1カップに対し、200グラムが基本です。お好みで調整を。

お餅を焼いたらお椀に入れて、アツアツの小豆を注げばできあがり!

香ばしく焼き上げたお餅に、ふっくら艶やかな小豆のほのかな甘みが溶け合って、体をほっこり包み込んでくれます。レシピにあるように、たくわんなどの漬物を添えると、味のコントラストがたまりません。

小豆の赤い色は昔から呪力があり、邪気を払うと信じられ、魔除けの意味を込めて食べられてきました。1月15日を中心とした小正月でも、その年が健康で過ごせるよう小豆粥(あずきがゆ)をいただく風習があります。

なぜ? 「鏡開き」でお餅と酒樽を「叩き割る」                                                                     

正月、神棚などにお供えした鏡餅を食べる「鏡開き」は、一般的に毎年1月11日とされています。鏡餅は、鏡のように平らで丸いお餅を大小2個のせたものです。鏡餅には神様の力が宿っているとされ、神聖なパワーをいただくことで、新しい年の一家の無病息災を願います。

そのような鏡餅を刃物で切るのは御法度として、木槌(きづち)で叩き割るのが正式なふるまいと言われています。ただし「叩き割る」という言葉自体、縁起が悪いとして、表現として運を開く「鏡開き」が使われています。

また、鏡餅を供えたままにしておいたり、鏡餅にカビが生えたり、硬くなったため捨ててしまうのも禁物。

鏡餅&小豆のダブルパワーで、さらに運気を上げていきましょう!

『クッキングパパ』とは?

福岡市博多を舞台に、商社の営業課に所属するサラリーマン、荒岩一味が家族や同僚、友人らに得意な料理の腕前を披露、食を通じて周囲の人々に笑顔とパワーを与える物語。作中ある料理のレシピは、定番料理からオリジナルメニュー、地元九州の郷土料理まで多岐にわたり、詳細なイラストとポイントを押さえた簡潔な説明はいま、すぐ作りたくなると好評を博している。週刊漫画誌「モーニング」(講談社発行)で1985年から連載している人気シリーズで、2022年12月現在、単行本は163巻。

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この記事のライター

中島幸恵
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