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免疫力アップのためにはタンパク質も同時に摂りたい

さて、私たちの免疫機能が野菜を食べることで強化されることを述べたが、それにはタンパク質も必要なのである。タンパク質は筋肉など体を構成する材料として不可欠だが、それ以外に免疫システムを維持するための抗体や免疫細胞、それにホルモンや酵素などをつくるのにも必要だから、野菜スープだけ飲んでもタンパク質が不足すれば免疫機能は十分に活性化しない。

また、パセリやブロッコリー、カリフラワー、アスパラガスの穂先などには「グルタチオン」という強力な抗酸化物質が多く含まれるが、実は豚肉、牛肉、鶏肉、特にそのレバーには野菜以上にたくさん含まれている。冬になるとよく食べられるカキ鍋のカキもそうだ。そのうえグルタチオンは、慢性肝炎、口内炎、皮膚炎などの治療薬として承認されているほど抗酸化力が強いことから、アンチエイジングに効果的と注目されているのだ。野菜スープと一緒にタンパク質が摂れる鍋料理は非常に栄養バランスのいいメニューと言える。

文・奥野修司 

奥野修司


おくのしゅうじ。ノンフィクション作家。1948年、大阪府に生まれる。立命館大学卒業後、1978年から日系移民調査。帰国後、フリージャーナリストとして活動。『ナツコ 沖縄密貿易の女王』(文藝春秋)で講談社ノンフィクション賞と大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。近年、『怖い中国食品、不気味なアメリカ食品』(講談社文庫)、『本当は危ない国産食品 「食」が「病」を引き起こす』(新潮新書)などを通じ、日本を取り巻く食事情と食環境に警鐘を鳴らし続けている。

新刊情報
『野菜は「生」で食べてはいけない』奥野修司(著)講談社ビーシー/講談社

『野菜は「生」で食べてはいけない』


健康や美容のため、生野菜をたくさん食べ、野菜ジュースを日課とする人が大勢います。しかし実は、こうした生野菜の摂取は、健康効果の点からはまったくおすすめできません。むしろ、「野菜は生で食べるな」というのが基本。本書は、その理由と、「唯一の解決策」を追った健康ノンフィクションです。

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