いま、都内のアイスクリームショップが盛り上がっています。上質な素材にこだわり独自のセンスで個性的なアイスを提供する、そんなユニークな5軒をご紹介。まずはゆるりと味わってみて。
『kasiki(カシキ)』 @西原
四季の香りをミルクに映した たおやかなアイス
果実やハーブ、スパイス……四季の香りをミルクに映し、独自の感性でアイスクリームとして表現しているのが、2022年10月にオープンした『kasiki』。たとえば「柚子東方美人」。最初に柚子の香りが口中を満たした後、マスカットを思わせる東方美人の香りが次第に広がっていく。人気の「苺ローズマリー」や「キウイミント」もそう。すべての素材の風味が時間差で現れ、余韻を残して静かに消えていく。その味わいのたおやかさ、品の良さよ。
ロゼワイン×苺ローズマリー シングル 500円
このアイスにはぜひ、ナチュラルワインを合わせてみたい。もちろん気難しいペアリングなんて無用。その日の気分で飲みたいワインを選べばいい。クリームとワインの意外な相性の良さに驚きを隠せないはずだ。「アイスの魅力は、自由であること」と店主の藤田さん。既成概念を捨ててアイスとワインの自由な旅に出かけてみたい。
[住所]東京都渋谷区西原1-13-2
[電話]なし
[休日]水、不定休あり
[営業時間]12時~21時(インスタグラムで確認を)
[交通]京王新線幡ヶ谷駅南口から徒歩7分、地下鉄千代田線代々木上原駅北口から徒歩10分
『teal(ティール)』 @茅場町
おいしいと感じる感覚を信じて日々ベストな味に
日本トップクラスのショコラティエ眞砂翔平さんとパティシエ大山恵介さんがタッグを組み、2021年11月にオープン。店を代表するジェラートとして眞砂さんが選んだのが、アマゾンカカオだ。口に運ぶと濃厚でフルーティー、うっとりするような味わいに満たされる。そして次の瞬間、口中から一瞬で消える口どけのみずみずしさにびっくり。アマゾンカカオコーヒー600円の風味を引き立てるため、牛乳はほんの少し加える程度でカカオと水が半分以上を占めているという。
ジェラート ダブル 750円(アマゾンカカオ、あまおう&柚子)
ダブルのペアに選んだ「あまおう&柚子」は、イチゴの深い甘みと柚子の繊細な香りが際立っている。混ざり合うのではなく、それぞれの味がしっかり感じられるのだ。眞砂さんにおいしさの秘密を聞くと、「規定のレシピをあえて崩すこと。自分たちのおいしいと思う感覚を大切にしています」。素材と真剣に向き合い、柔軟に発想することで、あるようで実はなかった、鮮烈な味わいが生まれたのだ。
[住所]東京都中央区日本橋兜町1-10 日証館1階
[電話]03-6661-7568
[営業時間]11時~18時
[休日]水
[交通]地下鉄東西線ほか茅場町駅10番出口から徒歩5分
『Harlow ICE CREAM TOKYO(ハーロウ アイスクリーム トウキョウ)』 @広尾
濃厚なのに軽やかな甘みのヴィーガンアイス
「アイスクリームのねっとりとした舌触りが大好きなんです」と話すオーナーの西田景子さん。アメリカのポートランドで出合った小さなアイスクリームショップに心惹かれ、2017年に神戸で開業し、2022年に東京へ。今までも地球と体へのやさしさにこだわった素材を選んでいたが、最近はより健康志向を重視してヴィーガンのフレーバーが増えているという。
アイスクリーム1スクープ 594円(ゴマミソ&ブラッククッキー)
今回も全8種類のうち7種類がヴィーガン。ゴマミソ&ブラッククッキーは、こっくりとしたごま風味と白味噌のやさしい塩味が合う!さらに口当たりや味わいは濃厚なのに、後味がとても軽やかなのに驚かされた。スッと体に馴染んでいくのは、油分や塩味のバランスがポイントだとか。しかも食べ応えあるコーンが抜群のおいしさ。米粉やココナッツオイル、メープルシュガーなどで作られたヴィーガンコーンもある。コーンを焼くときに店内に漂う香ばしい匂いにも癒やされる。
[住所]東京都渋谷区広尾3-2-12
[電話]050-1143-7179
[営業時間]12時~18時
[休日]火・金
[交通]地下鉄日比谷線広尾駅4番出口から徒歩15分