春は「いざいざ奈良」へ!(前編)世界のVIPが利用する“関西の迎賓館”奈良ホテルの魅力を堪能

筆者が住む愛知県の周辺には、三重県の伊勢志摩や岐阜県の飛騨高山など観光地が数多くあるが、筆者はGWよりもひと足先に奈良へ行ってきた。 京都から奈良までの移動は観光特急「あをによし」で優雅に もともと京都の華やかさよりも奈…

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筆者が住む愛知県の周辺には、三重県の伊勢志摩や岐阜県の飛騨高山など観光地が数多くあるが、筆者はGWよりもひと足先に奈良へ行ってきた。

1909(明治42)年開業の奈良ホテル

京都から奈良までの移動は観光特急「あをによし」で優雅に

もともと京都の華やかさよりも奈良の素朴さの方が気に入っていたが、今回の旅でますます好きになった。前編と後編の2回にわたって旅で感じた奈良の魅力を存分にお伝えするのでGWなど春の旅行先の候補に加えていただければ幸いである。

愛知から奈良に向かう交通手段として、かつての私がそうだったように、車を使うことが多いと思う。名二環から東名阪自動車道に乗って、名阪国道経由で西名阪自動車道を利用すれば、2時間半ほどで到着する。

しかし、行楽シーズンは駐車場も混雑するのは間違いない。せっかく奈良まで行ったのに、駐車場の空き待ちに時間を費やすのはもったいない。そこで今回は電車の利用をオススメしたい。

京都までは新幹線で

JR名古屋駅から新幹線のぞみで京都駅までたったの34分。JR京都駅の中央改札口を出て、目の前にある近鉄京都駅から特急に乗り換えれば、こちらも34分で近鉄奈良駅に到着する。乗り換え待ちの時間を合わせても1時間半もあれば十分だ。

大阪難波〜近鉄奈良〜京都を結ぶ観光特急「あをによし」

鉄道マニアならずとも近鉄京都駅から是非乗りたいのは、大阪難波〜近鉄奈良〜京都を結ぶ観光特急「あをによし」。天平時代に高貴な色とされた紫色のメタリック塗装に天平文様をあしらった外装は言うまでもなく、内装も「奈良の和」の美しさや尊さを表現している。

座席は2名用のツインシートと3〜4名のサロンシートの2種類で、総座席数は84席。かなりゆったりとした空間となっている。ツインシートを2名、サロンシートを3名〜4名で利用する場合、大人1名あたりの乗車券と特急券、特別車両券の合計は、大阪難波〜京都間が2140円、大阪難波〜近鉄奈良間が1410円、近鉄奈良〜京都間が1490円。

「あをによし」の車内。左側がツインシート

ペアまたは4人までのグループしか楽しむことができないのかというと、そうではない。ツインシートに限り、1名分の乗車券と特急券、特別車両券に加え、子供分の特急券と特別車両券(大人料金の半額。端数は10円単位で切り上げ)を購入すればツインシートを独占できる。

大きくとられた窓から眺める景色も最高

京都からのたった34分にそこまで贅沢しなくても……という方もいるだろう。実は筆者もそう思っていた。しかし、実際に乗ってみると、包み込まれるようなシートといい、大きな窓からの眺めといい、たまらなく心地が良い。何しろ、通常の近鉄特急との差額が特別車両券の、たった210円なので、絶対にオススメしたい。

なお、今回はJR東海の「いざいざ奈良」キャンペーンとのコラボ企画で東海道新幹線を利用し、「あをによし」に乗車したため、コラボ記念品の「いざいざ奈良」×「あをによし」コラボ巾着がもらえた。※コラボ企画は4月29日(金)、先着1000名まで

どこにカメラを向けても絵になる奈良ホテル

奈良での宿泊は、日本の皇室をはじめ、世界中のVIPも利用する名門『奈良ホテル』はいかがだろう。奈良ホテルの建設は、日露戦争に勝利した日本に多くの外国人が訪れるようになったことから、当時の政府が推し進めたのが契機となり、都ホテル創業者の西村仁兵衛が名乗りを上げた。

奈良ホテル外観。向かって左側が新館

本館の建築には、東京駅や日本銀行本店などを手掛けた建築家、辰野金吾氏が担当。辰野氏は東京駅のようなレンガ造りの建物を得意としていたが、それを封印。雅な大和の街並みとの親和性を考慮して和洋折衷をコンセプトに奈良ホテルを設計した。

吹き抜けからフロントを眺められる

開業したのは1909(明治42)年10月17日。今年で115年目を迎えるが、館内のどこにカメラを向けても絵になるし、歩くと軋む床さえも愛おしく思えてしまう。まったく色褪せていないのだ。それどころか、逆に新しく感じるほど。辰野氏による建築デザインが普遍的なものであるということにほかならない。

さて、筆者が泊まったのは、1984(昭和59)年8月に開業した新館のスタンダードツイン。33平米というから、普段仕事で泊まっている独居房のようなビジネスホテルの部屋と比べて2倍以上も広く、逆に落ち着かない(笑)。

新館のスタンダードツイン

ベッドや布団、枕のクオリティは言うまでもなく、パジャマやタオル、シャンプーや歯ブラシなどのアメニティにいたるまで最高だった。パジャマやタオル、バスマットは館内のホテルショップで販売されていて、買おうか迷ったほど。予算の関係で奈良ホテルのレトロなステッカーとメモパッドを購入した。

奈良ホテル
【住所】奈良県奈良市高畑町1096
【電話】0742-26-3300
【料金】新館/スタンダードツイン(朝食付、2名1室、1名あたり、税・サ込)25047円、本館/スタンダードツイン(朝食付、2名1室、1名あたり、税・サ込)31097円(チェックイン15時、チェックアウト11時)

『肉懐石 冨久傳』店内。奥にはテーブル席も

絶品の肉懐石を味わう

この日の夜は、奈良ホテル近くの『肉懐石 冨久傳(ふくでん)』へ。ここは旧邸宅を改装した肉懐石の店。最上級の大和牛やヤマトポーク、地元農家で育った大和野菜を使ったしゃぶしゃぶをメインに、季節の食材を活かした料理をコース仕立てで楽しめる。

「欅コース」の前菜盛り合わせ。野菜を中心とした素朴な味わいのものばかり

筆者がいただいたのは、豚しゃぶがメインの「欅(けやき)コース」(6050円)。しゃぶしゃぶは豚肉以外に魚介や豆腐、大和野菜も楽しめる。ほかにも前菜やローストビーフ、食事(牛しぐれ煮のお茶漬けまたはラーメン)、デザートも付いて大満足。

メインの豚しゃぶ。大和野菜も美味しい

特筆すべきはやはり、メインの豚しゃぶだろう。肉本来の旨味がしっかり感じられ、胡麻だれとポン酢を使い分けることで飽きることなく最後まで美味しく食べることができた。

肉懐石 冨久傳
【住所】奈良市福智院町31
【電話】0742-25-2910
【営業時間】12時〜14時、17時〜22時
【休日】水曜

朝食の「茶がゆ定食」。「和定食」、「洋定食」も選択可能

奈良ホテル名物の朝食「茶がゆ定食」

奈良ホテルでの楽しみはもう一つ。それはメインダイニングルーム「三笠」でいただく名物の朝食「茶がゆ定食」だ。茶がゆとは、その名の通り、「お茶で炊いたおかゆ」のこと。僧侶の食事として寺院で食べられていたのが、いつしか「大和の朝は茶がゆで明ける」と言われるほど、庶民の間にも広がり、定番の朝ごはんとして奈良では親しまれている。

緑茶の香り漂う茶がゆ

奈良ではほうじ茶を使うが、ここ「三笠」の茶がゆは香り高い緑茶でさらりと炊き上げていて、目覚めたばかりの身体にやさしく染みわたる。茶がゆ以外にも自家製胡麻豆腐や月替りの取り肴五種盛りや日替わりの焚き合せ、焼き魚、蒸し物など盛り沢山。どれも丁寧に作られていて、味わうごとに心がほっこりする。

おっと、字数が残り少なくなってしまった。後編では、今、奈良でもっとも注目を集めるスポットのグルメとスイーツを紹介しよう。

取材・文/永谷正樹

「いざいざ奈良」×「ずらし旅」キャンペーン

JR東海では、2023年6月29日(木)まで「いざいざ奈良」×「ずらし旅」のキャンペーンを展開中。ずらし旅とは、時間や場所、行動などを定番から“ちょっとずらした”新しい旅の楽しみ方。

「いざいざ奈良」のCMの舞台となった春日大社国宝殿の拝観の他、新薬師寺、志賀直哉旧居、入江泰吉記念奈良市写真美術館など対象の6施設の中から予定や好みに合わせて2施設で利用できる「春日大社国宝殿&選べるイチオシ名所クーポン」を用意するなど特典も盛り沢山。

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