あまり食材で“GW弁当” 一口コンロで松花堂弁当 「おと週」料理人ライター考案

フライ用の卵で隙間おかず パン粉付け用に卵1個に牛乳少量を入れて溶きます。サーモン1枚分あればいいので必要な量を残し、フライパンでスクランブルエッグにしてお弁当の隙間おかずに。 フライには、定番のソースと奈良漬を使用した…

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このGWに、ちょっと高級な雰囲気を感じられる”松花堂弁当”風のお弁当を作ってみました。入れる具材は、冷蔵庫に余った食材と、一口コンロで作った定番おかずです。考案したのは、メニュー開発やオーガニック料理店のオーナーシェフまで調理歴25年以上の料理人ライターです。

おかずを小分けすることで品数が多く見え、ちょっと豪華な印象に!?

一口コンロは”仕込み”が肝

一口コンロのキッチンは、作業スペースも無いに等しいので、一度に多くの品数を作るのは大変です。飲食店がスピーディーに料理を提供できるのは、仕込みがあってこそ。一口の貴重な火元を使うときは、節約も兼ねて風味や色に影響がない順に野菜を茹でたり、下味を薄くつけて保存するなど下ごしらえをしています。

料理ついでの茹で置きや下味をつけておくと時短に

例えば、今回お弁当に入れた「明太子のしらたき和え」は、茹でこぼして出汁と薄口醤油で下味をつけたしらたきを使用しています。肉じゃがやダイエットのカサ増しメニューなど、用途に合わせてすぐに調理ができます。

明太子和えを作るときは、煮汁ごと温めて汁の余熱で明太子に火を通すと、ボソボソにならずみずみずしく仕上がります。

手作り焼売で特別感

メインになるのは、「鶏ひき肉の焼売」と「塩麹サーモンフライ」です。焼売の皮は、持て余していたライスペーパーを使いました。

ほかの副菜は、「タコとブロッコリーの青唐辛子とニンニク・ナンプラー炒め」、「ナスの煮浸し」、「菜花としじみの和え物」のほか、仕込んでおいた「厚揚げ」にイカ天を足した煮物、茹で卵を調味した「味付け卵」です。

【作り方の手順】

1、タコの炒め物を作る

2、煮浸し用野菜とサーモンフライを焼き揚げる

3、蒸し野菜、シュウマイを作る

あまり食材を「焼き揚げる・蒸す」で調理

タコの味付けはナンプラーのみでOK!

タイの魚醤「ナンプラー」は、旨味たっぷりの調味料。蒸したブロッコリーと合わせることを想定して、美味しい汁気が残るように、タコと青唐辛子をサッと炒め、水とおろしニンニク、ナンプラーを入れています。

冷凍野菜などがあれば一緒に炒めて旨味を吸わせます

なすは油を全体にからめる

なすは火が通りやすいよう皮目に切り込みを入れ、ムラなく焼けるようにフライパンに引いた油をナス全体にからめてから焼き揚げ、その間に煮浸し用のつゆを用意して、熱いうちに浸します。

ここではレンジで温めためんつゆに赤唐辛子一本、生姜スライス一枚、レモン汁数滴入れたものを使用。

フライパンに余白があったので、パプリカ、ちくわも焼いています。なすの余分な油はキッチンペーパーで吸い取ります

フライ用の卵で隙間おかず

パン粉付け用に卵1個に牛乳少量を入れて溶きます。サーモン1枚分あればいいので必要な量を残し、フライパンでスクランブルエッグにしてお弁当の隙間おかずに。

落ちたパン粉は焦げやすいのでしっかりはたいてから入れて、焼き揚げます

フライには、定番のソースと奈良漬を使用したタルタルを用意。

材料は、奈良漬(1cmスライス)、和え物用刻み昆布少々(塩昆布でも)、マヨネーズ大2、すし酢小1〜2、塩もみして水分を絞ったきゅうり1/6、カブの葉少々です。

焼売の準備の間に野菜を蒸します

蒸し器のお湯の量に注意

焼売を作る合間に野菜を蒸します。作業中、蒸し器の下で沸いているお湯の量と、湯気が当たらないように気をつけましょう。

焼売の種は、鶏ひき肉100g、長ネギみじん切り5cm、おろし生姜、薄口醤油、酒、顆粒鶏がらスープ各小さじ1、砂糖、塩各少々、塩麹大さじ1、水大さじ2を加え、粘りが出るまで混ぜます。

にら2~3本、椎茸2つはみじん切りにして種の半量ずつに混ぜ、1/4サイズの十文字にカットしたライスペーパーを水にくぐらせたものの中央に置き、生地の四隅を持って手のひらで種を軽く握って丸めます。

軽く丸めるだけでライスペーパーが密着するので楽チン 

厚みのある椎茸があれば、傘部分に片栗粉を振って種を乗せると見た目も可愛く旨味を吸い込んだ椎茸がジューシーに仕上がります。好みで、蒸し上がりに塩を軽く振ってください。

8~10分セイロで蒸し、肉から透明なスープが出てくれば完成です。蒸すとモチモチとした食感になるので、味付けも優しい風合いに。

作ってもらうと”より美味しい”

菜花は蒸して市販のしじみのおつまみで和えたもの。さつまいもは蜂蜜を塗って胡麻塩を振ってあります。

冷凍惣菜や市販品も利用して”楽しんで”作ることが一番のポイント!

松花堂弁当は、蓋つきの容器の中が十字の仕切りで区切られ、料理の味が移らないようになっているちょっと高級なお弁当です。

松花堂弁当という名前は、江戸時代初期の僧侶であった松花堂 昭乗(しょうかどう・しょうじょう)が由来だそうです。

見た目も華やかで洗練した味の高級弁当は中々手が出せませんが、雰囲気だけでも出せればと手持ちの空箱を利用して作ってみました。

自炊をしていると、誰かが作ってくれたご飯がたまらなく嬉しいものです。たとえそれが買ってきたお惣菜でも、サラダを添えるだけ、盛り付けるだけで気分や美味しさが変わると感じています。

文・写真/大島あずさ

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