今回は、東京の「涼」をめぐります。題して、「東京の避暑地めぐり」。都心から約1時間半以内のエリアで散策し、全身で「涼」を感じ、目で「涼」を楽しむ。向かったのは、奥多摩。豊かな自然に恵まれているだけあり、人気のおでかけエリ…
画像ギャラリー今回は、東京の「涼」をめぐります。題して、「東京の避暑地めぐり」。都心から約1時間半以内のエリアで散策し、全身で「涼」を感じ、目で「涼」を楽しむ。向かったのは、奥多摩。豊かな自然に恵まれているだけあり、人気のおでかけエリアです。今回は、比較的動きやすい鳩ノ巣駅から白丸駅、奥多摩駅周辺を散策。涼も感じつつ、美味美酒も楽しめます。
緑に包まれるテラス席で絶品肉ランチ
緑の山々、間を流れる多摩川の水は澄み、空気は清々しい。初めて奥多摩に行った人はきっとこう言う。「ここは東京?」。かく言う私もそうだった。そして奥多摩にハマった。御岳登山(みたけとざん)や多摩川沿いのトレッキング、日帰り温泉に〆ビール、酒蔵巡りもあり。お楽しみが多すぎるから、またすぐ行きたくなる。今回は、「初奥多摩」という『おとなの週末』編集の戎さんと共に奥多摩を歩く。
人、人、人の新宿駅を脱出、中央線に乗れば、車窓の緑がどんどん増えてくる。徐々に自然に還っていくような、この感じいいなあ。鳩ノ巣駅で電車を降りると、「あ、なんだか木と土の香りがしますね」と戎さん。思い切り息を吸い込めば、ほんとうに森の香りがした。
鳩ノ巣渓谷に降りると、散策路が整備されていて安心……なのだが記憶より道が険しい。次第に無口になる我々。休憩しつつ進んでいくと白丸ダムが現れた。ダム沿いは平坦な木道で、やっと景色を存分に楽しめる。「あ、カヤックやってますね!」と戎さん。ブルーグリーンの湖面をスイスイッと進む、赤や黄色のカヤックが美しい。
ダムを眺めながら進むと、風情ある一軒家が見えてきた。ここ『アースガーデン』でランチだ。通されたのは、緑に包まれるテラス席。一番人気という「奥多摩ハンバーグ」は豚100%。豚の旨みがしっかりと伝わってくる。聞けば、豚肉は長崎産の「諫美豚(かんびとん)」。自家栽培の米で育った豚だ。
『森の中のお肉レストラン アースガーデン』奥多摩ハンバーグ 2288円(180g、セット)
野菜は主に奥多摩産を使っているそうで、付け合わせのジャガイモなどの野菜も甘みが強い。大満足のランチだった。へろへろだった筋肉も、肉パワーで完全復活。さてまた歩こう、と言いたいところだが、「無理せず電車に乗りますか」「そうですねえ」とあっさり合意した。
幸せなことに東京には奥多摩がある
最寄りの白丸駅からひと駅、電車に乗る。青梅線は多摩川沿いをほぼ平行して走っているので臨機応変に電車を使えるのがよい。奥多摩駅に着き、川沿いを散策する。水遊びをする家族連れや、のんびり木陰で昼寝をする人を眺めながら、日帰り温泉『もえぎの湯』へ。
露天風呂に浸かって、のんびりと木々を眺める。朝の新宿駅の光景はすっかり遠い世界だ。いよいよ本日最後のお楽しみ、ビール醸造所『VERTERE(バテレ)』へ。緑と光いっぱいのテラスでビールをグビッといく。人気の「パシフローラ」は、苦みが心地よく口の中で広がる。「おいしい」。その言葉しか出てこない。
『VERTERE(バテレ)』パシフローラ(Passiflora) Pint 1300円、アルビジア(Albizia) Half 800円
「奥多摩には緑があり、気持ちのいい空気があり、きれいな水があります」。『VERTERE』の紹介文だ。その奥多摩で大切に醸されたビールを奥多摩の自然の中で飲む。なんという幸せ。「ここも東京なんですね」。戎さんからも出た、このひと言。ほんとうに、都下にこんないいところがあるんです。幸せなことに、東京には奥多摩がある。
『森の中のお肉レストラン アースガーデン』
[住所]東京都西多摩郡奥多摩町白丸361-1
[電話]0428-85-5101
[営業時間]11時~16時
[休日]火
[交通]JR青梅線白丸駅から徒歩10分
『奥多摩温泉 もえぎの湯』
[住所]東京都西多摩郡奥多摩町氷川119-1
[電話]0428-82-7770
[営業時間]10時~20時 ※12月~3月は〜19時
[休日]月
[交通]JR青梅線奥多摩駅から徒歩10分
『VERTERE(バテレ)』
[住所]東京都西多摩郡奥多摩町氷川212
[電話]0428-85-8590
[営業時間]11時~19時半(フード18時半LO)
[休日]月〜金
[交通]JR青梅線奥多摩駅から徒歩1分
撮影/西崎進也、取材/本郷明美
※2023年8月号発売時点の情報です。
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