「求められているだけマシ」と我慢する必要はない
私がもう一度、高校時代に戻るのだとしたら、自分のやりたいポジションよりも、求められるポジションで尽力する方向の努力をすると思います。
自分の理想像を抱えながら、チーム内の競争で戦い続けるのは辛いですからね。それも部活の3年間であれば戦い抜けるかもしれないけれど、人生なんて何十年と続く訳ですから。会社での話になれば、余計にそういう選択をすると思います。
その中で、自分のやりたいこと、なりたいものと折り合いをつけ、やっていてストレスの無い状態になるように努めると思います。
相談者さんのストレスであるシフトの名簿に自分の名前が先頭になっていることも、相談すれば名簿で真ん中ら辺にしてもらうことだって出来るかもしれません。
そんな相談をしたら「それくらいのことなんで嫌なの?」と言われるかもしれません。
けれど、何を嫌だと思うのかは本人が決めることだし、相談した相手が理解できなくとも、嫌なものは嫌ですからね。そこは強く行きましょう。
やりたくないポジションを任されているのであれば「私をそのポジションで求めているのであれば、私も我慢をするので」と我儘を口にしてもいいはずです。
求められるということは幸せなことかもしれないけれど、その内容が自分を幸せにしてくれるとは限らない。だったら、こっちも内容を飲んでやるから、そっちも諸々飲めよ、という姿勢が大事ですね。
私も色々と仕事の内容で飲んでばかりで主張することが出来ないので、自分を大切にするためにも、強く出てみようと思います。
担当編集者からのひとこと
私が最後に「リーダー」と名の付く役職にいたのは、小学生の頃のことだと思います。当時は、遠足の縦割り班の班長から学級代表、合唱のピアノの伴奏と、とにかく先頭に立つことが好きでした。
いま振り返ると、みんなをまとめよう!という気概やその能力があったわけでもなく、ただ単純に、自分の思い通りに事を運びたいだけだったと思います。クラスメイトに対してとっていた偉そうな態度、思い返すと赤面の至りです。母親も、学校行事の際、リーダー気どりで態度のデカい私を見たときは、これはまずいと焦った、と言っていました。
ただ、のちに当時の先生や友達に聞くと、「とりあえず方向性が決まるので、声の大きい人がいるというだけで助かった」と言ってくれる人もいて、「リーダー」というものは、見る人や立場によって受け取り方が変わる、いかに曖昧な存在であるかを思い知らされました。
ちなみに、前田さんの文章の中に出てきた「上杉達也」はあだち充の漫画『タッチ』の、「茂野吾郎」は満田拓也の漫画『MAJOR』の主人公で、どちらもエース投手として活躍したキャラクターです。才能に恵まれながらも努力を惜しまず、周りを惹き付けてやまない二人は、まさにひとつのリーダー像と言えるかもしれません。
集団に属していれば、誰しも、しっくりこないこと、苦痛に感じることがあると思いますが、相談者様が今回このコラムにお悩みをお寄せくださったように、皆さんが、「しんどい!」と吐き出せる場所を確保できるといいな、と思います。
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前田裕太(まえだ ゆうた)
1992年8月25日生まれ、神奈川県出身。愛媛県の名門、済美高校野球部の同期である高岸宏行とのお笑いコンビ「ティモンディ」のツッコミ担当。趣味はサッカー観戦、読書。テレビ番組で画力を披露したり、複数メディアでコラムを執筆するなど、マルチな活動で注目を浴びている。
ティモンディ
高岸宏行・前田裕太によるお笑いコンビ。コンビ結成は2015年、グレープカンパニー所属。高岸のポジティブなキャラクターや、二人の野球経験と身体能力などがバラエティ番組で引っ張りだこに。コンビの野球経験をいかしたYouTubeチャンネル『ティモンディチャンネル』の登録者数は約28万人。