長い酷暑が落ち着いて、やっと訪れた秋。温泉が恋しくなる頃でしょう?旅館や公衆浴場で湯に浸かってホッ、そのあとはおいしい料理と酒での〜んびり。そんなゆるりとした時間を1泊で過ごす「湯とメシの旅」を、東京から行きやすい温泉地でご提案。お好みの場所へ、日帰り、あるいは1泊でお出かけください。温泉旅館もいいが、温泉街の魅力は共同浴場「外湯」にアリ。今回は、別所温泉の破格値の外湯と美味を気ままに巡るお手頃な温泉旅へ、いざ!
戦国武将・真田幸村隠しの湯『石湯』へ
社会の荒波にもまれ、労働という戦で傷ついた心身を癒すべく「真田幸村隠しの湯」と伝えられる別所温泉で、男を磨くことにする。標高約600m 近い塩田平にある別所温泉は、信州最古の温泉地。塩田平は鎌倉時代から室町時代にかけて造られた寺社仏閣が多く存在していることから“信州の鎌倉”とも呼ばれている。
まずは温泉街をぶらり。信州最古の禅寺「安楽寺」で1290年代に建立された国宝「八角三重塔」を愛でつつ、温泉街の最奥部にある『石湯』へ。ここは池波正太郎の『真田太平記』にたびたび登場し、幸村も浸かる風呂だ。湯は無色透明ながら硫黄臭があって、ちょいトロリとしている。ずっと入っていられる湯加減だ。
「石湯」を出て風に当たっていると、向かいの食堂に「馬肉うどん」の文字を発見。気付いたら入店していた。濃い目の馬肉煮込みと汁が、汗が出切った身体に染み渡る。
『日野出食堂』馬肉うどん 700円
厄除観音として知られる「北向観音堂」をお参りし、参道に並ぶ饅頭屋の一軒でお味見。温泉地で食べる饅頭って、妙に旨いから不思議だ。『大師湯』に浸かってぼーっとしてたら、蕎麦が食べたくなってきた。長野だし。『そば久』は石臼挽き手打ち蕎麦の人気店。香り高い蕎麦を無心でたぐる取材班、男3人。
『そば久』天ぷらそば 1900円
3つ目の外湯『大湯』で〆て、湯&美味のループで見事にととのった。