フォークで豆をさぐり、まずそうに口に運び
フォークナーの食生活については、毒舌の評論家ドナルド・リッチーが、
「豆の好きな食の細い男で、皿を持って歩き回りながらフォークで豆をさぐり、まずそうに口に運び……」
と書いている。リッチーは返す刀で難解なフォークナーの文章にまで切りかかる。
「5回読み直してようやくわかったことは、そこが3ページ目だってことだった」
(本文は、昭和58年4月12日刊『美食・大食家びっくり事典』からの抜粋です)
夏坂健
1934(昭和9)年、横浜市生まれ。2000(平成12)年1月19日逝去。共同通信記者、月刊ペン編集長を経て、作家活動に入る。食、ゴルフのエッセイ、ノンフィクション、翻訳に多くの名著を残した。その百科事典的ウンチクの広さと深さは通信社の特派員時代に培われたもの。著書に、『ゴルファーを笑え!』『地球ゴルフ倶楽部』『ゴルフを以って人を観ん』『ゴルフの神様』『ゴルフの処方箋』『美食・大食家びっくり事典』など多数。
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