2024年5月に待望の新作『帰ってきた あぶない刑事』が公開されます。…と、言ってもまだ公開は半年近く先。待ち遠しい気持ちを『あぶない刑事』の過去シリーズを観ながら抑えている方も多いのではないでしょうか?実は『あぶない刑事』に番外編的なテレビドラマがあったことをご存知でしょうか。
あぶない刑事の番外編?しかも舞台は同じ横浜
テレビシリーズの『あぶない刑事』は全51話(1986年10月~87年9月)放送された後、『もっとあぶない刑事(全25話、88年10月~89年3月)』へと続きました。
あぶ刑事ブームが冷めない89年10月に放送が始まったのが『勝手にしやがれヘイ!ブラザー』です。
同作は、柴田恭兵さん演じる岸田法眼(通称ホーガン)と仲村トオルさんが演じる北村則規(通称ノリ)の母親違いの兄弟二人が主人公です。あぶ刑事のユージとトオルという先輩後輩コンビが、兄弟という関係に変わり作品の中で暴れまわります。
この二人が主人公というだけであぶ刑事ファンは「おぉっ!!」となりますが、さらに加えて二人の父親役はあぶ刑事の近藤課長役でお馴染み、中条静夫さん(本作では弁護士の北村敬太郎役)でした。
刑事ものではありませんが、出演者の方々を見ると「ほとんどあぶない刑事」と言っても過言ではありません(さらに舞台も横浜です)。
柴田さんの演じるホーガンはトップ屋(事件を追うフリーライター)として登場。ノリは弁護士の卵ということで、二人とも刑事でも探偵でもありませんが民間人として、横浜の街の事件を解決していくというストーリーです。3人の他にも名取裕子さん、倉田てつをさん、森恵さんといったメンバーが脇を固めます。
また、劇中には港署などあぶ刑事のキャラクター名も登場するセルフパロディもあって、ファンの方にとってはたまらない作品です。
作品の企画担当はあぶ刑事でお馴染みの黒澤満さん、初川則夫さん。このほかにも多くのあぶ刑事スタッフが作品に参加し、あぶ刑事の魅力を引き継ぎながら、新たなストーリーを作り出していきました。
オープンのアルファロメオ・スパイダーと柴田さんが良い感じ!
あぶ刑事では柴田さんとレパードのシーンも作品の魅力でしたが、本作ではオープンカーのアルファロメオ・スパイダーに乗って颯爽と走り回ります。新作の『帰ってきた あぶない刑事』でもBMWと思しきオープンカーに乗るシーンがありますが、柴田さんとオープンカーという組み合わせにもグッときます(映画『べっぴんの町』でもMGに乗っていました)。
作品のエンディングでは柴田さんが歌う名曲『横浜DAYBREAK』に乗せて、当時まだ完成間もない横浜ベイブリッジを、バイクに乗った仲村さんとともにスパイダーで渡っていくシーンがあるのですが、この画と曲の雰囲気がとても切ない雰囲気たっぷりでイイ感じです。
作品はDVD化もされているので、あぶ刑事が待ちきれない方はぜひこちらもチェックしてみてはいかがでしょうか?
文/おとなの週末Web編集部、写真/東映ビデオ、ステランティス