今年22年目を迎える「サロン・デュ・ショコラ」。ここでしか手に入らない海外から直輸入されたショコラが並び、ショコラ好きやスイーツマニアから熱烈な支持を得ている、チョコレートの祭典です。東京では伊勢丹新宿店にて2024年1月18日(木)から開催されます。「Touch! 心がふれあう。世界が変わる。」をテーマとした「サロン・デュ・ショコラ」の楽しみ方をお伝えします。
画像ギャラリーめくりめくショコラの世界を体感できる「サロショ」
言わずと知れた「~パリ発、チョコレートの祭典~サロン・デュ・ショコラ(以下、サロショ)」。前回は、その歴史や日本での様子、三越伊勢丹の担当バイヤー・五藤久義さんの思い、そしてオンライン販売の詳細などを伝えた。
なお、東京会場(伊勢丹新宿店)は会期を3部に分けて開催される。それぞれの概要は以下の通り。
●Part1:「TASTE OF CACAO –広がる、楽しむ、カカオの世界–」
一般会期:2024年1月18日(木)~22日(月)※最終日は18時終了
●Part2:「THE ARTISANS –ショコラティエ、パティシエの技–」
一般会期:2024年1月27日(土)~31日(水)※最終日は18時終了
●Part3:「THE NEXT –ショコラの多様性–」
一般会期:2024年2月5日(月)~14日(水)※2月8日(木)は16時終了、14日(水)は18時終了
Part1「TASTE OF CACAO」でカカオの多様さを体感
Part1「TASTE OF CACAO –広がる、楽しむ、カカオの世界–」は、素材としてのカカオにフォーカス。南米やアフリカ、アジアなど計26カ国から約60のビーントゥバーブランドが参加し、土地柄が現れるショコラが集結。マニア垂涎のラインナップになっており、タブレットだけでなく、ボンボンショコラや焼菓子なども揃っている。
イートインもあり、日本とペルーを融合させたガストロノミーの『MAZ』(東京・紀尾井町)やイタリアンの『ドンブラボー×クレイジーピザ』(東京・国領、神楽坂)、バー『メメントモリ』(東京・虎ノ門)などジャンルを超えた多彩な顔ぶれだ。
さまざまな側面からカカオのおいしさや奥深さを感じ、味わえる。
Part2「THE ARTISANS」は気鋭のショコラティエに注目
Part2「THE ARTISANS –ショコラティエ、パティシエの技–」は、ショコラティエたちによる創意工夫が凝らされた、個性豊かなショコラが並ぶ。
日本の「サロショ」初参加の3ブランドを含め、全27の直輸入ブランドを展開。
販売される約3割の商品が、「サロショ」に合わせた新作になっているのも魅力のひとつだ。
今年初登場する『マチュー・ルルナール』は、フランス・ブルゴーニュ生まれのシェフ、マチュー・ルルナール氏自身の名を冠したブランド。『フォション』や『パトリック・ロジェ』などで修業し、現在はスイス・ジュネーヴの老舗ショコラトリー『マルテル・ショコラティエ』に勤めて研鑽を積みながら、2023年にM.O.F.を取得した注目度の高いショコラティエだ。
バイヤーの五藤さんによれば、最近の傾向として地元の素材をテーマとして使いたいと考えるショコラティエが増えているのだそう。
顔の見える生産者やコミュニケーションがいつでも取れる方のものを使って、地元や素材の魅力をどう伝えるかにこだわっているんだとか。
例えば上記のマチュー氏が使う柑橘類は、出身地であるフランス産をメインとしているが、サブレで使う小麦粉などの素材は現在腕を振るうスイス産の素材を厳選。
なおこのPart2は、前回で記した通り、世界のトップショコラティエやパティシエが集結するという側面が特に強くなっている。
ショコラティエたちは、みんなと会うことで元気と刺激をもらえるだけでなく、次のクリエイションのヒントとなる場所でもあるのだそう。
Part3「THE NEXT」から見る、ショコラの多様性
Part3「THE NEXT –ショコラの多様性–」は、約20の初登場ブランドを含む約60ブランドのショコラが揃うが、特筆すべきはさまざまなジャンルのイートインが充実していること。
『ナオミミズノ』(京都・福知山)のソフトクリームや『セイスト』のホットサンドのほか、2月5日からの前半は静岡県・静岡市の『シンプルズ』や東京・神楽坂の懐石料理店『ふしきの』など、食通を唸らせる名店がカカオを使った独創性に満ちた料理を提供する。
2月9日からの後半戦は、静岡県・富士宮市のブルワリー『フジヤマハンターズビール』のクラフトビールや石川県・野々市市のブーランジェリー『ニオール』、東京・青山の『イクアリー』のクレープなどと共に楽しめる構成だ。
さまざまなジャンルのシェフたちとカカオやショコラの組み合わせから、多様性や可能性の広がりが見えるものとなっている。
口に入れればとろけてしまう儚さがあるけれど、そっと目を閉じればどこまでも広がる世界へ連れて行ってくれるショコラ。世界的な原材料や光熱費などの価格高騰、円安などの影響から、販売価格もやはり上がっているという。
それでも、シェフたちのクリエイティビティに触れるべく、行く価値がある「サロショ」。
これまで以上に規模が拡大した今回、みなさまもぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。
個人的にはPart3が前後編になっているので、4回は行かなきゃ! と思っている。
■『伊勢丹新宿店』本館6階 催物場
[住所]東京都新宿区新宿3-14-1
[営業時間]10時~20時
※2024年2月2日(金)はイベント開催のため全館休業
取材・撮影/市村幸妙
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