音楽の達人“秘話”

【追悼】坂本龍一、バート・バカラック、谷村新司…2023年に亡くなった音楽の達人たち

坂本龍一の名盤の数々。左上が「美貌の青空」が収録されたソロアルバム『SMOOCHY(スムーチー)』(1995年)。上段中央は、1984年発表のソロアルバム『音楽図鑑』に未発表曲や別ヴァージョンを加えた2枚組『音楽図鑑-2015 Edition-』(2015年)

坂本龍一:3月28日死去、71歳 新たな年度が始まった2023年4月2日夜、音楽家・坂本龍一の訃報が流れました。3月28日に死去、71歳でした。1月11日には、同じイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)のメンバーだっ…

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2023年も多くの著名な方々が亡くなりました。音楽の分野でも、年明けに、高橋幸宏さんの訃報が流れ、後を追うように、同じイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)のメンバーとしても活躍した坂本龍一さんもこの世を去りました。海外からも、音楽史に大きな足跡を残した偉大なミュージシャンの悲しい知らせがいくつも届きました。「おとなの週末Web」では、連載「音楽の達人“秘話”」で、故人の興味深いエピソードを取り上げてきました。それぞれの興味深い回を選んで紹介します。

国内外のアーティスト2000人以上にインタビューした音楽評論家の岩田由記夫さんが、とっておきの秘話を交えて、昭和・平成・令和の「音楽の達人たち」の実像に迫ります。

ジェフ・ベック:1月10日死去、78歳

「世界三大ギタリスト」。エリック・クラプトン(78)、ジミー・ペイジ(79)とともに、こう日本では知られる英国の世界的ギタリスト、ジェフ・ベックが2023年1月10日、亡くなりました。78歳。細菌性髄膜炎に感染したことが原因だといいます。死去のニュースは世界に流れ、英国の公共放送BBCは「史上最も影響を与えたロックギタリストの一人」と報じました。ジェフ・ベックの第1回では、筆者の個人的な音楽体験がつづられます。

ジョージ・マーティンがプロデュースした名盤の数々。上段はビートルズ(『レット・イット・ビー』の最終的なプロデュースはフィル・スペクター)。下の2枚は、ジェフ・ベックの『ワイアード』(1976年)と、『ブロウ・バイ・ブロウ』(1975年)

・「世界三大ギタリスト」ジェフ・ベックは、クラプトンやペイジとの「差」を気にしていたか 音楽の達人“秘話”ジェフ・ベック(1)
https://otonano-shumatsu.com/articles/303861

高橋幸宏さん:1月11日死去、70歳

今回から始まるのは、高橋幸宏です。1952年、東京都目黒区出身。子供の頃からドラムを始め、高校生でプロに。サディスティック・ミカ・バンドなどを経て、78年に細野晴臣、坂本龍一とともにイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)を結成、海外でも熱狂的な支持を得ました。83年のYMO“散開”後も、音楽活動を精力的に続け、ファッション・デザイナーや文筆の分野、俳優としても活動するなど幅広い分野で活躍してきましたが、2023年1月11日、誤えん性肺炎のため亡くなりました。70歳でした。第1回は、ミカ・バンド時代やYMOデビュー翌年のワールドツアーの頃のエピソードです。

高橋幸宏の名盤の数々

・YMOが海外で認められた背景、天才的なドラミング「あのユキヒロのバンドなら」 音楽の達人“秘話”・高橋幸宏(1)
https://otonano-shumatsu.com/articles/297137

鮎川誠:1月29日死去、74歳

今回から鮎川誠のシリーズが始まります。1948年、福岡県久留米市生まれ。九州大学在学中の70年にロックバンド「サンハウス」を結成し、ギタリストとして活躍。75年にはレコードデビューを果たしました。78年からは妻のシーナ(悦子)がボーカルを担当するロックバンド「シーナ&ロケッツ」の活動がスタート。「ユー・メイ・ドリーム」や「レモンティー」などのヒット曲を世に送り出し、日本のロック界に大きな足跡を残してきました。2015年にシーナが子宮頸がんのため61歳で亡くなったあとも、「シーナ&ロケッツ」としてライブを続けていましたが、2023年1月29日午前5時47分に膵臓(すいぞう)がんのため死去。2月4日には東京都内で“ロック葬”が営まれ、関係者やファン計4000人以上が参列して故人を偲びました。

鮎川誠(右)と筆者・岩田由記夫 。2022年6月、東京都内の音楽之友社の視聴室で

・「皆がロックを聴いていれば平和になる」は鮎川誠の“遺言”だったのか 音楽の達人“秘話”・鮎川誠(1)
https://otonano-shumatsu.com/articles/300391

バート・バカラック:2月8日死去、94歳

2月8日に老衰で亡くなったバート・バカラック(1928~2023年)は、映画『007カジノ・ロワイヤル』(1967年)の主題歌「恋の面影(The Look of Love)」や、映画『明日に向って撃て!』(1969年)の主題歌「雨にぬれても(Raindrops keep Fallin’ On My Head)」、カーペンターズの「遥かなる影(Close To You)」(1970年)、などで知られるアメリカの作曲家です。世界中のミュージシャンに影響を与えたポップスの巨匠の魅力とは―――。

バート・バカラックの名曲の数々

・ポップスの巨匠バカラック「彼だけの独自のテイストとポップ・フィーリング」 音楽の達人“秘話”バート・バカラック(1)
https://otonano-shumatsu.com/articles/305506

坂本龍一:3月28日死去、71歳

新たな年度が始まった2023年4月2日夜、音楽家・坂本龍一の訃報が流れました。3月28日に死去、71歳でした。1月11日には、同じイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)のメンバーだった高橋幸宏が71歳で亡くなっています。

音楽家・坂本龍一の最終回は、筆者の極私的ベスト3を紹介します。1978年のデビューから発表し続けた膨大な楽曲の中から、何を選んだのか。今回は、本連載担当編集者が選んだ好きな3曲も付記します。

1978年にリリースされた坂本龍一のアルバム『千のナイフ』のレコード(右)と、1983年の日本生命CM曲「きみについて」を収録した12インチシングルレコード『Life in Japan』

・坂本龍一が「あれはほんの冗談のつもりだった」と明かした曲+筆者の極私的ベスト3 音楽の達人“秘話”・坂本龍一(4完)
https://otonano-shumatsu.com/articles/309520

PANTA:7月7日死去、73歳

※ロックバンド「頭脳警察」のPANTAさんの「音楽の達人“秘話”」は、生前の2022年秋に、計4回にわたって連載

今回から、ロックバンド「頭脳警察」のPANTAを取り上げます。1969年に、TOSHI(パーカッション)らと4人編成で頭脳警察を結成。2022年は、発売禁止になった幻のデビューアルバム『頭脳警察1』(1972年)から50年となります。筆者は、PANTAと同い年で、付き合いは50年以上に及ぶ親友です。メディア側では本人を最もよく知る存在と言っていいでしょう。貴重なエピソードの数々にご期待ください。

ロックバンド「頭脳警察」のPANTAの第2回では、伝説として語り継がれるデビューアルバムとセカンドアルバムの発売禁止について触れます。当事者のPANTAは、何を思ったのか―――。

頭脳警察のアルバムの数々。発売禁止になった1972年の幻のデビューアルバム『頭脳警察1』(中央上)は21世紀になって再リリースされた

・「発売禁止?そりゃあメげたよ」デビューアルバムも2枚目も“発禁”の異常事態 音楽の達人“秘話”・頭脳警察「PANTA」(2)
https://otonano-shumatsu.com/articles/279796

ジェーン・バーキン:7月16日死去、76歳

2回にわたって、今月16日に76歳で亡くなった歌手で女優のジェーン・バーキンを取り上げます。英ロンドン出身ですが、1960年代後半からフランスに移住。パートナーとなるフランスの作曲家で歌手のセルジュ・ゲンズブール(1928~91年)とのデュエット「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」を69年に発表し、世界的なヒットで注目を浴びました。ジェーン・バーキン第1回では、1992年の来日公演時の筆者の思い出が綴られます。

ジェーン・バーキンの名盤の数々

・ジェーン・バーキンの1992年の思い出 ブルーの照明で統一されたステージ、ヒンヤリとした手の感触
https://otonano-shumatsu.com/articles/322988

谷村新司さん:10月8日死去、74歳

1948年12月生まれ、大阪府出身。71年12月、神戸の音楽サークルで知り合いだった堀内孝雄(1949年10月生まれ)と「アリス」を結成し、72年3月にシングル「走っておいで恋人よ」でデビュー。同年5月に矢沢透(1949年2月生まれ)が参加して3人グループとなり、「帰らざる日々」「冬の稲妻」「ジョニーの子守唄」「チャンピオン」「秋止符」「狂った果実」など数々のヒット曲を世に送り出しました。同時にソロ歌手として80年には「昴」を発表。作詞・作曲し、山口百恵が歌った「いい日旅立ち」(78年)など提供作品も日本の音楽史に名を刻みます。81年のアリス活動休止後は主にソロで活躍してきましたが、2023年10月8日、74歳でこの世を去りました。所属事務所によると、23年3月に腸炎の手術を受けて療養中だったといいます。

「音楽の達人“秘話”」谷村新司は全5回。どれも必読です。第4回では、伝説の歌手・山口百恵との思い出がつづられます。谷村が山口に提供した名曲「いい日旅立ち」はどのようにして生まれたのか。作詞作曲した作者自身の貴重な証言です。

谷村新司の作品の数々

・「秋桜」以上の名曲を作りたい…谷村新司の代表作「いい日旅立ち」はこうして生まれた
https://otonano-shumatsu.com/articles/340953

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