『桂花』 @成城学園前
黒酢の深い酸味とパンチある辛みが絶妙な上質な旨さ!
酸味入り辛子つゆそば。都内で3本の指に入ると言われる人気の酸辣湯麺だ。昭和60年オープン。上海、広東、四川を中心に中国各地の料理を出す同店では、開店以来化学調味料を使わず、体にやさしいものを提供している。
大切にしているのは「ていねいにいいダシとスープをとること」だ。このラーメンも然り。昆布とカツオ、貝柱などの魚介と、鶏・豚ガラを合わせたスープはすっきりした中に深い旨みを湛えている。きれいな麺線とラー油の赤、ねぎの緑が映える。
酸味入り辛子つゆそば(酸辣湯麺) 1320円
はしづめ製麺のオリジナルという細めのストレート麺をほどよいとろみとともに啜り上げると、白黒のペッパーの風味と黒酢を使った旨みのある深い酸味、ほどよくパンチの効いたそのバランスが絶妙だ。餡の中には、椎茸、中国春雨、木耳、鶏肉……。旨みがきれいに詰まって、熱々の中にもじんわり体に染みていくような品のいい美味しさ。これはクセになる!
[住所]東京都世田谷区成城6-4-13 成城フルールビル2階
[電話]03-3483-8581
[営業時間]11時半~15時(14時LO)、17時~21時(20時20分LO)
[休日]無休
[交通]小田急線成城学園前北口徒歩1分
『中華風家庭料理 ふーみん』 @表参道
立ち昇る香りと旨みのハーモニー ごちそう感いっぱい
湯気と一緒に上がってくる香りのよさがたまらない。ごちそう感あふれる五目うまにそばだ。昭和46年の開業以来、3~4世代通う人もいる同店の変わらぬ信条が「食で心を癒すこと。そのために手作りにこだわっている」と、教えてくれたのは料理長の白井次男さんだ。
たっぷりの鶏ガラと丸鶏が活き、豚ガラ、昆布も使って仕込まれる透き通ったスープが全体を支える。上にのるあんの調理は手際のよさが命だ。
五目うまにそば 1900円(平日昼1700円)
油を通さず強い火力でさっと炒めるからこそ野菜にシャキシャキ感が残る。あんの中には、エビ、イカ、ホタテ、豚肉、干し椎茸やシメジ、木耳、タケノコ、白菜、にんじん……。どれも存在感があって、各具材からの旨みが感じられる。
ごま油や自家製ねぎ油の香りも鼻腔をくすぐる。歯応えのあるかなりの細麺をツツツとすすると、そこにさまざまな旨みが絡んでくる。熱々を感じながら最後まで旨みのハーモニーを楽しみたい!
[住所]東京都港区南青山5-7-17 青山小原ビル地下1階
[電話]03-3498-4466
[営業時間]11時半~16時(15時半LO)、18時~21時半(21時LO)
[休日]日・祝、第1・3月
[交通]地下鉄千代田線ほか表参道駅B1、B3出口から徒歩5分
『寿福』 @自由が丘
コショウが効いた餡がとろりと絡むヤミツキになる味
地元じゃ名の知れた行列店。一番人気のレバニラ炒めは町中華のそれの最高峰レベルだと密かに思っているのだが、定番の「あんかけもやしそば」も冬の大本命だ。
醤油味のスープにたっぷり浮かぶモヤシとニラ、箸を入れると太く長くコシのある太麺にとろんと絡み、小気味いいコショウのパンチが舌に広がれば……にやりと口角が上がる。うーん、やさしいだけじゃない、パシッと輪郭があるおいしさというのかなあ、味の匙加減が素直にすごい。
あんかけもやしそば 900円
そんな一朝一夕にできない旨さは調理に使う醤油も味噌も全て自家製という手間を惜しまぬ姿勢から。創業66周年、2代目の池田さんが先代の教えを頑なに守っている。早朝からの準備はもちろん、休みの日も仕込みで店に通う忙しさ。
なのに「当たり前を当たり前に続けるだけ。お客さんが喜んでくれるから大変とは思わなくなったね」。生き様がそのまま味に。食べればわかる。
[住所]東京都目黒区緑が丘2-6-15 繁栄ビル1階
[電話]03-3717-4150
[営業時間]11時~13時半LO、17時~19時LO ※売り切れ次第終了
[休日]日、他月2回不定休
[交通]東急東横線ほか自由が丘駅北口から徒歩7分