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『中華や』 @森下

継ぎ足しで守る醤油ダレの奥深い旨み

取材日の午後、店を訪れると「今日の昼はウマニソバが一番出たよ」と店主の小川さん。あんかけ系ラーメンは王道の陰に隠れがちな存在だったりするけど、ここでは上位を争う人気メニュー。

うずらの玉子がちょこんと乗って、豚肉に木耳、白菜と具材たっぷりでちょっと贅沢な気分。ふうふうと湯気を吹きつつ挑めば、あったかくてコクのある旨みが体中に充満してくる

ウマニソバ 830円

『中華や』ウマニソバ 830円 豚肉、木耳、白菜、にんじんなど具材たっぷりの餡。硬めに茹でた「浅草開化楼」の多加水卵麺との相性もバッチリ

決め手のひとつはさまざまな野菜と調味料を加えて作る独自の醤油ダレだろう。継ぎ足しで守るそれはチャーハンの香り付けにも使う店の基本。さらに最大の要、鶏ガラや豚足などでダシを取るスープは徹底的に素材を洗って臭みが出ないよう仕込むとか。

「料理は段取りが大事」。そんな真面目な味を受け止める麺がこれまたラーメン専門店もこぞって使う「浅草開化楼」の中細縮れ。卵麺だがきちっと小麦を感じる風味は麺好きも唸るはず!

『中華や』

[住所]東京都墨田区千歳2-1-13
[電話]03-3633-4021
[営業時間]11時~14時、17時~21時
[休日]日・祝
[交通]都営新宿線ほか森下駅A2出口などから徒歩4分

『新珍味』 @池袋

辛・酸・香がじわじわくる唯一無二の餡!

目の前に輝く黄金の餡の海。下に潜んだ麺をがっちり掴んで持ち上げれば、餡が絡みまくってズシリと重い。安い割り箸だったら折れるんじゃないだろうか……そう、スープの上に餡が乗るのではなく、スープそのものが全部とろとろの濃厚餡。この店の名物、70年前の創業時から愛される特製ターロー麺の特徴だ。

特製ターロー麺 990円

『新珍味』特製ターロー麺 990円 炒めた具材に水溶き片栗粉でとろみを付けて卵でとじた餡。醤油ベースの味付けでにんにくが効いている。酸味は穏やか。とろみが強いので冷めにくく、やや太めの平麺にこれでもかと絡む。中国の餡掛けラーメン「打滷麺」を独自にアレンジしたとか

実は初代は台湾の有名な革命家。2代目の金田さんは13年ほど前に本人(当時91歳!)に直接作り方を教わり、伝統の味も店もそのまま受け継いだとか。基本のレシピを守りつつ、現在は麺がのびにくいよう太めに改良するなどさらに旨さを追求した

豚肉や白菜などの具にとろみを付けて卵でとじた餡は程よい酸味で、にんにくの香味も効いたバランスのいい味。後からコショウと唐辛子の辛みがじわじわやってきて、完食すれば体の芯までぽっかぽか。革命家直伝の名物麺は、冬こそ食べたいアツい味だ。

『新珍味』

[住所]東京都豊島区西池袋1-23-4
[電話]03-3985-0734
[営業時間]11時半~23時 ※金・土は~23時半、日・祝は~22時
[休日]無休
[交通]JR山手線ほか池袋駅西口などから徒歩3分

撮影/鵜澤昭彦(かみ山)、浅沼ノア(珍来、桂花、ふーみん、寿福)、小澤晶子(中華や、新珍味)、取材/肥田木奈々(タカノ)、池田一郎(タカノ、かみ山、珍来、桂花、ふーみん)、肥田木奈々(寿福、中華や、新珍味)

2024年2月号

※2024年2月号発売時点の情報です。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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おとなの週末Web編集部
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