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プレリュードを買えば女の子にモテる!!

実は2代目プレリュードがデビューした直後に、『史上最強のスカイライン』を大々的にアピールした日産スカイラインターボRS、日本車の頂点に君臨していたトヨタソアラに高性能な“ツインカム24”の2Lの直列6気筒エンジン、2Lのインタークーラーターボモデルが追加されたこともあり、クルマ雑誌などでの扱いもそれほど大きくなかった。

日本車のハイパワー化が進むなか、2代目プレリュードは1.8Lで125psと闇雲にパワーを追求したわけではなく、バランスに優れた扱いやすい高性能が魅力だったが、FF(フロントエンジン・フロントドライブ:前輪駆動)のハンドリングはよくできているが、FRと比べると……、と言った感じで自動車評論家の評価が絶賛したわけではなかった。そんなこともあって、当時の走り屋には”ナンパグルマ”と揶揄されていた。

『ベストカーガイド』(『ベストカー』の旧名称)の1983年2月号のテストシーン

今では考えられないが、当時のクルマ界を支えていたのは若者だ。走り屋やヘビーなクルマ好きだけではなく、若者はクルマに憧れ、クルマを欲しがっていて実際に気に入れば買った。デートするにはクルマが必須という時代に、「プレリュードを買えば女の子にモテていいこともできる」、「ナンパグルマ上等!!」と、若い男子がプレリュードを買ったわけだ。まぁ、実際には買ってもただの幻想に終わった人も多々いるだろうが、私のように買う勇気もなく指を加えて傍観していた者に比べればそのパワーには敬服しかない。

2代目プレリュードの価格は136万~171万8000円で、同じホンダの大衆車のシビックに20万円程度足せば手に入れられる価格設定も若者にとって絶妙だった。大学生だってプレリュードを買うためにバイトに励んだ。2代目プレリュードは一点豪華主義と笑われようが、メシを抜いてひもじい思いをしようが、女の子にモテたかった男たちの象徴だ!! 1987年に登場した2代目はさらに洗練され大人気となったが、2代目があってこその人気だ。

2023年10月に開催されたジャパンモビリティショーで、ホンダは新型プレリュードコンセプトを世界初公開。久々に復活するプレリュードの名前に、若かりし頃の想いを馳せた中高年は少なくなかったはずだ。

このアングルがら見ると2代目プレリュードのボンネットの低さが強調される。リアデザインは奇をてらわずオーソドックス

【ホンダプレリュードXX主要諸元】
全長4655×全幅1690×全高1360mm
ホイールベース:2660mm
車重:1300kg
エンジン:2759cc、直列6気筒DOHC
最高出力/最大トルク:170ps/24.0kgm
価格:275万円(4AT)

【豆知識】
2023年10月に開催されたジャパンモビリティショーで、ホンダは新型プレリュードを世界初公開。2001年に消滅したプレリュードが高らかに復活!! 詳細スペックは未公表ながら、流麗なクーペスタイルは健在。パワーユニットは直列4気筒の2Lにモーターを組み合わせたホンダのハイブリッド、e:HEVとなる。エンジンが155ps前後、モーターが210ps前後となると予想している。気になるデビュー時期は、2025年後半というのが有力だ。新世代プレリュードは期待感満点!!

2023年10月に開催されたジャパンモビリティショーで世界初公開されたプレリュードコンセプトとホンダの三部敏宏社長のツーショット。2025年後半の登場が有力

市原信幸
1966年、広島県生まれのかに座。この世代の例にもれず小学生の時に池沢早人師(旧ペンネームは池沢さとし)先生の漫画『サーキットの狼』(『週刊少年ジャンプ』に1975~1979年連載)に端を発するスーパーカーブームを経験。ブームが去った後もクルマ濃度は薄まるどころか増すばかり。大学入学時に上京し、新卒で三推社(現講談社ビーシー)に入社。以後、30年近く『ベストカー』の編集に携わる。

写真/HONDA、ベストカー

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