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ゆりかもめは開業するも、90年代に賑わったディスコ『ジュリアナ東京』や『ゴールド』が閉店した芝浦は、港湾地帯という本来の姿を取り戻していた。そんな時代だった2001年にオープンしたのが『Cafe Super racer(カフェスーパーレーサー)』だ。東京を代表する老舗ライダーズカフェだが、その理由はバイクフレンドリーだからだけじゃない。21年目も変わらぬローストポークの味と、そのポークから派生した新しい味。郷愁と進化の融合にあった。

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訪れたライダーが撮影したくなる、昭和レトロなビルディング

1963年前後に建設されたビルの1階に入る
1963年前後に建設されたビルの1階に入る

『Cafe Superracer(カフェスーパーレーサー)』は、ウェブ検索で「東京 ライダーズカフェ」と検索すると、上位に出てくる店だ。当たり前である。オープンから21年目、東京を中心に関東近郊のライダーならば「1度は訪れたことがある」といっても過言でないほど超有名店だ。

海外のドライブインを彷彿とさせる、オープン当初からあるネオンサイン
海外のドライブインを彷彿とさせる、オープン当初からあるネオンサイン

そんな背景からか、バイク歴20年超の知人は「あんなの観光カフェだよ」と毒づいた。オープン当初は嬉々として通ってたんじゃ? 心の中で舌を出しながら聞き流し、免許を取得した2年前にはじめて店のドアをくぐった。

天井が高く、全面窓のため明るく気持ちいい。ほとんどがひとり客で、聞こえるのはオーダーの声くらいだ。読書がはかどる。同じ空間を共有していながら、ひとりが保たれている距離感が心地よかった

映像作品のロケ地にもよく使われる。直近では、ドラマ『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール』(日本テレビ系)にも登場した
映像作品のロケ地にもよく使われる。直近では、ドラマ『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール』(日本テレビ系)にも登場した

ある時、店を出ると残念そうな顔をしている20代らしきライダーがふたり。ツーリング終わりに食事のため立ち寄ったそうだが、まん延防止期間で閉店が通常時より随分と早く、ラストオーダーに間に合わなかったのだ。

ナンバーを見ると、千葉と茨城。違う方向に帰るふたりが “今日の思い出”を語りながら食事をするのに都合がいい場所だ。私には身近すぎて想像できなかった使い方、なんかいいじゃん! そして、また別の日のこと……。

愛車をながめながらコーヒーを飲むこともできる
愛車をながめながらコーヒーを飲むこともできる

平日の昼間、ひとり入ってきたミドルエイジのおじさま。すっかり体になじんだ革ジャンを着こなす佇まいは、確実にベテランライダー。20年前から通っているのかもしれない。

ふと思った。きっと誰かの人生と寄り添っているカフェなのだ。そこには、それぞれが主人公の物語がある。ロマンを感じた。勝手な妄想だけど素敵だ。

とはいえ、この日まで取材するつもりはなかった。紹介し尽くされている超有名店だ。しかし、食べた「キューバサンド」が美味しかった。紹介したい!

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スパイシー&チーズの香りに心躍る。カリフ...
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