嵐がおさまり、凪が訪れた
「タリスカー ストーム」は、ストーム(嵐、荒天)の名の通り、タリスカー10年をさらに力強くした印象のウイスキーだ。つまり、もっと海を感じるような、潮っぽさがあるような。その豊かなスモーキーさとスパイシーさを、ナッツ風味のチョコとともに味わうと…。海上の嵐がやみ、凪(なぎ)が訪れたような穏やかさが伝わってきた。なんともやわらかい。
「タリスカー ポートリー」は、ポートワインでの樽で追加熟成しただけに、甘い香りが鼻孔をくすぐる。タリスカーの中でも、特別感がある逸品だ。フランボワーズ風味とあわせると、ウイスキーの甘味に、このチョコの酸味が重なり、甘酸っぱさが際立つ。ただ、驚いたのは、タリスカー特有の黒胡椒が効いたようなピリッとしたスパイシー感がはっきり感じられたこと。個人的にはある意味、“タリスカーらしさ”を一番実感した組み合わせだった。
タリスカーとのハーモニーを感じる3種類のボンボンショコラ
限定メニューのチョコを考案したシェフパティシエは、鈴木薫さん。ホテルニューオータニのパティシエ・ブランジェリエ統括料理長だ。
鈴木さんは、「タリスカーを飲み始めると、スモーキーさが病みつきになった」と、自身もタリスカーの魅力にはまったことを明かす。それから、各チョコの特徴を説明してくれた。
【バナナ風味】
「使ったのはベネズエラ産の72%のチョコレート。ちょっと甘味があるので、それを抑えようと思って72%のハイカカオにした。苦味の中のバナナと胡椒のほのかな香りの余韻が残るように作った」。
【ナッツ風味】
「(タリスカーが生み出される)島の中の塩味を感じさせるにはナッツかなと思った。ベネズエラ産の65%、ちょっとカカオ分を落としたものを使用したガナッシュをあわせて作った。ほのかな塩味を感じさせたいなと思った」
【フランボワーズ風味】
「ポートリーは、ストームや10年に比べて、スモーキーさが、やさしい。フルーティーさもある。バナナ、ナッツときて、酸味がほしいな、と。インパクトを与えるため、フランボワーズを入れた。(チョコは)ハイカカオの72%にした」
その作り手の思いは、たしかにこの3種類にきちんと表現されている。うん、おいしい。
エスプレッソ、フィズ、オールドファッション…スペシャルな3種類のオリジナルカクテル
オリジナルカクテルも、この機会にぜひとも楽しみたい。次の3種類だ。
・「タリスカー 10年」使用『スカイ・エスプレッソ』
「焚き火の煙を思わせるスモーキーな味わいのタリスカー 10年に、ビターなエスプレッソを合わせたエスプレッソマティーニのツイストカクテル。隠し味にマンゴーを使用し、ほのかにフルーティーな味わいも感じられます。コーヒー好きにもおすすめの一杯」(プレスリリースより)
・「タリスカー ストーム」使用『ストーム・フィズ』
「タリスカー ストームの際立った潮の香りや黒胡椒の風味と相性の良いパイナップルを組み合わせたカクテルは、突き抜ける爽快感を味わえます。輝くようなゴールドの一杯は、タリスカーの黄金の蒸留酒を表現」(同)
・「タリスカー ポートリー」使用『ノーザン・オールドファッション』
「タリスカー ポートリーの赤いベリーのリッチな甘い香りと、黒胡椒のドライな味わいを、紫蘇やほうじ茶が香るハーブリキュールと和三盆と組み合わせました。ドライな味わいの中に、ふんわりと香る和素材の香りをお愉しみいただけます」(同)