毎朝4時から始まる仕事
平山さんの仕事は朝4時から始まる。クロワッサンの仕込みは2番めなのでおよそ5時頃。大きな窓のある仕込み室から、ちょうど美しい朝焼けが眺められる時間だ。
「秋や冬はとくに真っ赤になる様子が素晴らしいんですよ。それを見るのが楽しみでもあります。この街は夕日もきれいなんです。屋上に上がってよく眺めています」
そう語る平山さんの顔は晴れ晴れとしていた。自然に寄り添って生活する、穏やかだがどっしりと安定したエネルギーのようなものが伝わってくる。
そして実は、その景色を計算して店の配置も作られているのだとか。なるほど、毎日そんな美しい空を見ながら作られるパンが、のびやかでおいしくならないわけはない。
「スタッフには“長い流行”と言ってるんですが、地元の人のためにパン作りを続けることが、この土地の、西那須野の文化になるんだと話しています。
ここで育った子が外に出て、地元にあったパン屋さんおいしかったなとか、雰囲気がよかったなって思い出してもらえたらいい。そういう気持ちが少しずつ伝染して、広がればいいなと思っています」
『SHOPAIN ARTISAN BAKEHOUSE(ショウパン アルティザン ベイクハウス)』 @栃木県・西那須野
[住所]栃木県那須塩原市西三島3-183-276
[電話]0287-48-7707
[営業時間]9時~17時
[休日]日・月(2024年4月からは火・水に変更)、不定休あり
[交通]JR線西那須野駅出口から徒歩23分、車で6分
撮影/松永直子、取材/岡本ジュン
※2024年4月号発売時点の情報です。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。