企業の敷地内などで完全自動運転の試験運用が始まった
レベル4は、特定条件下の完全自動運転とされる。限られた地域内で、完全な自動運転を可能にするものだ。これは既に試験的な運用が行われている。例えば企業の敷地内など、内部のすべての人が自動運転車の運行を認識していれば、完全な自動運転も可能だ。特に車道と歩道がすべて分離され、交差点に必ず信号と横断歩道があれば、安全を高い水準で担保できる。
困難が伴うのはレベル5だ。一般公道での完全な自動運転だから、人通りの多い裏道まで走らねばならない。道幅の狭い混雑した場所の通行では、対向車のドライバーや歩行者に挨拶して道を譲ってもらったり、逆に譲って通行を促すこともある。運転技量に加えて、優れたコミュニケーション能力も必要だ。
また高度な自動運転では、車両同士の通信も重要になる。そうなると自動運転車と従来の手動運転車が混在していると、運行が難しくなる。すべてをクルマに任せる完全な自動運転を実現するには、周囲の車両もすべて同様の自動運転車になり、集中的な交通管理と自動運転車同士の通信と制御が不可欠だ。