東京の「うまいサーモンの寿司屋」シャリにも工夫《コスパ抜群》のベスト2店を覆面調査で発見

この40年で品質はアップ ノルウェーから日本へ、サーモンが紹介されたのは1980年代から。海洋養殖され食用として安全基準を満たしたサーモンは生食もOKだ。最初から受け入れられたわけではないが、この40年で品質はアップして…

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いまやすっかり市民権を得た寿司ネタ、サーモン。回転寿司に限らず、近頃は老舗の江戸前寿司店でもちゃんと仕入れて握ってくれる店が増えている。

そもそも江戸前の寿司ネタになぜサーモンはなかったのか。ひとつは天然の鮭(サーモン)には寄生虫がいることが多いから。もうひとつは、鮭はそもそも江戸前=東京湾近辺で獲れる魚じゃないし、国産・天然モノこそ上等ってこだわりがずっとあったからだ。それを覆したのが養殖された輸入サーモン。特に、質量ともに評価されているのがノルウエー産のアトランティック・サーモンだ。

恵比寿「スシエビス」

看板の「極み寿司」は通常の寿司に“一工夫加えて驚きと感動を”というオリジナル寿司だ。シャリには同じく江戸時代からのものながら、赤酢より酸味が少なくなめらかという黒酢を使っているのもこだわりだ。

恵比寿「スシエビス」

その中にあって、サーモンは「時代のニーズに合った人気の高いネタですね」とのこと。そして極み寿司の中の一品が「飲めるサーモン」。独自の下処理のあと、実は低温調理されている。パクリとつまんでみると、お~、とろける食感で、やさしく旨みが広がる。日本酒に合うぞ。周年記念メニューながらド派手なサーモン手毬あり、アボカドサーモン軍艦もあり……と充実。気軽に寿司をつまみ、一杯やるのに絶好だ。

春日「すし銚子丸 小石川店」

ノルウェーサーモンの中でもトップブランドとして評価が高い「オーロラサーモン」。『すし銚子丸』では、それが日本で販売された15年前から扱っている。グランドメニューを見てもオーロラサーモンメニューがずらり。確かにオーロラサーモンは旨い。きれいな味わい。口に溶ける脂の質が上品でナチュラルな甘み。

春日「すし銚子丸 小石川店」

心地いい食感。現地生産者や流通を担う会社、ノルウェー水産物審議会とも連携することで育んできたクオリティだ。「生産地では水中のカメラで観察しながら適量の餌を与え、環境にも配慮しています」とのこと。おいしいはもちろん、持続可能でヘルシーなことも、今どきで良い。

この40年で品質はアップ

ノルウェーから日本へ、サーモンが紹介されたのは1980年代から。海洋養殖され食用として安全基準を満たしたサーモンは生食もOKだ。最初から受け入れられたわけではないが、この40年で品質はアップしている。冷たく澄んだ海中を自由に動き回れる生育環境。清潔で高品質な餌。伝統的な知見と科学的なアプローチ…。

「ノルウェーの中でもより北の、北極圏海域で通常より2割増しの時間をかけて成長し、脂がのりながら身質がしまっています。それが水揚げから48時間で生のまま氷詰めで成田に届くんです」とは、同社経営戦略室の下公祐ニさんの話だ。それも生産者、輸入商社、荷受会社との連携があってこそだという。

豊洲市場でサーモンを扱う水産仲卸『山治』の山崎康弘社長にも話を聞いた。「実際に食べ比べて、色味が良くて、甘みが強くて、餌臭さのないものがいいサーモン。餌に天然資料を使い、出荷前にエビを食べさすとか、技術革新も年々進んでいます。私たち魚河岸の人間も変わっていかないとね」

『おとなの週末』2023年11月号より

…つづく「東京のうまい 「最強の町寿司」 ベスト7軒…高コスパ、一貫 《110円》 からで一見さん、ソロ活でも大丈夫「覆面調査隊が実食」」では、庶民価格の美味しい町の寿司店を紹介します。

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