ガソリン代を節約しても、高額なバッテリー交換費用で相殺される
このようにアイドリングストップ装着車が減った背景には複数の理由がある。メーカーの開発者に尋ねると以下のように返答された。「街中でアイドリングの停止とエンジンの再始動を頻繁に繰り返すと、煩わしく感じるお客様も多い。制御をカットして使われる場合もあるため、装備自体を廃止する車種が増えた」。
それでもアイドリングストップが欲しいユーザーはどうなるのか。開発者は「今は売れ筋車種の大半に、ハイブリッドが設定されている。アイドリングストップを希望するお客様は、今ではハイブリッドを購入している」と返答した。
またアイドリングストップを装着すると、エンジンを頻繁に始動させるから、バッテリーの負担が増える。そこでアイドリングストップ装着車には、非装着車に比べて容量の大きなバッテリーを指定している車種があり、交換時の出費も増える。
容量が増えてもバッテリーの寿命や交換タイミングは同じだから、アイドリングストップの作動でガソリン代を節約しても、バッテリー交換時のコストアップで装着車がトータルでは割高になってしまうことも多い。