アイドリングストップのニーズを吸収する安価なマイルドハイブリッド
それでもユーザーによっては、信号待ちでアイドリングすること自体に、後ろめたさを感じることがある。ハイブリッドなら前述のようにアイドリングも止まるが、価格がノーマルエンジン車に比べて35~50万円は高い。信号待ちの多い都市部を中心に、ノーマルエンジン車におけるアイドリングストップのニーズが消滅したわけではない。
街中でアイドリングの停止とエンジンの再始動を繰り返すと煩わしい、という批判は、モーター機能付き発電機の採用で解決する。1個の小さなモーターで、アイドリングストップ後の再始動、減速時の発電、エンジン駆動の支援を行う機能だ。
このタイプでは、モーターがベルトを介して再始動させるため、セルモーターのような金属音や振動を発生させない。マイルドハイブリッドとしてスズキの軽自動車を中心にコンパクトな車種に採用され、低燃費と快適性を上手に両立させている。
文/渡辺陽一郎(わたなべ よういちろう):自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。執筆対象は自動車関連の多岐に渡る。
写真/トヨタ、スズキ、Adobe Stock(アイキャッチ画像:tarou230@Adobe Stock)